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JRA 天皇賞・春(G1)が一人のサッカー少年の運命を変えた…菱田裕二騎手がテーオーロイヤルとともに狙う恩返し

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菱田裕二騎手 撮影:Ruriko.I

 5月1日、阪神競馬場で開催される第165回天皇賞・春(G1)。現役最強ステイヤーを決する芝3200mの戦いに、今年は18頭がエントリーしている。

 人気の中心となりそうなのが、昨年の2着馬で、暮れの有馬記念(G1)でもエフフォーリアの2着と健闘を見せたディープボンドと昨年の菊花賞(G1)を制したタイトルホルダーの2頭。芝3000m以上のG1レースで実績を挙げている両馬による2強ムードが漂う中、待ったをかけるのが長距離界の新星・テーオーロイヤル(牡4歳、栗東・岡田稲男厩舎)である。

 ちょうど1年前の青葉賞(G2)で15番人気ながら4着に入る激走を見せると、休養を挟んで迎えた10月に中京と阪神で1勝クラスと2勝クラスを連勝したテーオーロイヤル。11月に3勝クラスも難なく突破してオープン入りを果たすと、今年2月のダイヤモンドS(G3)でも、2着馬に0.4秒の差をつけて重賞初制覇を飾った。

 破竹の4連勝中と勢いに乗った状態で迎える初めての大舞台。キャリア3走目の未勝利戦から継続して手綱を取る菱田裕二騎手にとって、この馬とともに挑む天皇賞・春にかける想いは人一倍強い。

 今年がキャリア11年目となる菱田騎手は、9月に30歳を迎える。G1は今回が通算24回目の騎乗となるが、これまでの最高成績は4着(2回)となっている。

 とはいえ、今まで有力馬で大舞台に挑んだ経験はなく、最も人気を集めたのは6番人気アドマイヤリードで挑んだ2015年阪神JF(G1)の9着程度。G1での有力馬への騎乗は今回が初めてと言っていい。

一人のサッカー少年の運命を変えた天皇賞・春

 2012年の3月、競馬学校・騎手課程の28期生として岡田厩舎から騎手デビューした菱田騎手。小学生時代はJリーグのチームが運営する下部組織に在籍していた有望なサッカー少年で、当然ながら夢はプロサッカー選手だったという。そんな少年の運命を変えたのが、他でもない天皇賞・春だった。

 小学生の時、家の近くの競馬場で大きなレースがあるからと、家族とともに足を運んだ京都競馬場で目の当たりにした競馬の魅力に取りつかれ、サッカーひと筋だった少年は騎手になることを志した。

 住まいは競馬場の近くだったが、競馬とは縁遠い家庭。むしろ父は「ギャンブル嫌い」で、最初は猛反対を受けたという。「競馬学校に入学したら勘当するつもり」とまで言われながら、それでも騎手を目指したいと訴え続けた熱意が実り、2008年に競馬学校・騎手課程の27期生として騎手への道を歩み始めた。

 しかし、繰り返しになるがもともと競馬とは縁遠い家庭。乗馬の練習も中学3年の4月から通いはじめたとあって、入学直後から大きな壁にぶつかる。技術不足だけでなく、「恐怖心が拭えない」というメンタル面も指摘を受け、競馬学校1年時には“留年”を言い渡された。

 同期が先輩になり、後輩だったはずの年下が同期に。それでも、父からは「留年してまで訓練させてもらえるのは感謝すべきこと」と励まされ、こうした苦境を乗り越えた末に、1年遅れの“28期生”として騎手デビューという夢を叶えたのだった。

 そして、デビュー後の菱田騎手を支えたのが所属厩舎の岡田調教師。家族ぐるみでサポートを受け、厩舎スタッフにも様々な手助けをしてもらいながら10年の騎手人生を歩んできた。

 こうして迎えた11年目、ひとつの恩返しを果たしたのが2月のダイヤモンドS。恩師が手掛けるテーオーロイヤルでG3を勝ち、これが自厩舎の馬での重賞初制覇。レース後には「日頃から感謝しかない。師匠の馬で勝てて、僕自身本当に嬉しいです」と喜びを口にしている。

 そんな師匠の馬とともに挑むG1の大舞台。勝てば菱田騎手にとっても初のG1制覇となるが、実は岡田厩舎としても開業20年目にして悲願のG1初制覇となる。自身を競馬の世界に導いた思い出のレースで、騎手人生を支えてくれている恩師に大きなプレゼントを持ち帰ることができるか。キャリア最大の大一番と言っても過言ではないだろう。

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