JRA【平安S(G3)展望】テーオーケインズVSオーヴェルニュ「6馬身差」対決が激アツ! 充実著しいメイショウハリオも不気味
21日、中京競馬場ではダートの中距離重賞、平安S(G3)が行われる。ここで国内始動戦を迎えるのは、昨年のJRA最優秀ダートホースのテーオーケインズ(牡5歳、栗東・高柳大輔厩舎)である。
昨年は帝王賞(G1)を3馬身差、チャンピオンズC(G1)は6馬身差で圧勝。ダートで5戦4勝の成績を残し、文句なしのJRA最優秀ダートホースに輝いたテーオーケインズ。今年は2月にサウジアラビアで行われたサウジC(G1)で始動し、3番人気に支持されたが、終始囲まれる厳しい競馬を強いられた。最初のコーナー(3角)までに手応えが怪しくなり、後方集団に下がってしまい、直線で8着まで盛り返すのが精いっぱいだった。
帰国後は牧場でリフレッシュを図り、4月下旬に栗東に帰厩。ここをステップに帝王賞連覇を視野に入れている。
昨年見せた国内でのパフォーマンスを考えれば、チャンピオンズC当時の8~9分程度の出来でも十分勝負になるだろう。ただし、次走を見据えて、仕上がり途上なら思わぬ伏兵に足をすくわれる可能性もあるか。
59kgの斤量も不安要素の一つ。これまで57kgまでの経験しかないが、現役ダート王として無様な姿は見せられない。
昨年のチャンピオンズCでそのテーオーケインズから1秒4差の6着に敗れたオーヴェルニュ(牡6歳、栗東・西村真幸厩舎)は、メイチの仕上げで臨む可能性が高そうだ。
これまで中京で重賞を2勝しているコース巧者で、昨年の当レースでは6馬身差で圧勝。ところが、その後の帝王賞で7着に敗れ、長距離輸送に不安を残している。そのため、陣営とすれば、確実に得意コースで賞金加算を狙いたいところだ。
前走のアンタレスS(G3)は、大外16番枠から中団を追走。3~4コーナーで早めに進出し、直線ではインを突いたが、前が壁となる場面もあり加速に手間取る不完全燃焼の内容だった。
鞍上を務めるのはチャンピオンズC以来、3走ぶりとなる福永祐一騎手。初コンビで6馬身差の圧勝劇を飾った1年前と同じように強気の競馬で王者テーオーケインズに挑みたい。
テーオーケインズとオーヴェルニュをまとめて負かすならメイショウハリオ(牡5歳、栗東・岡田稲男厩舎)しかいないだろう。
昨年11月に重賞初挑戦でみやこS(G3)を制覇。その後はチャンピオンズCで7着に敗れたが、3か月半の休み明けで臨んだ前走マーチS(G3)を出遅れながらも快勝した。
この馬の最大の強みはその末脚。キャリア15戦中、上がり3ハロン3位以内をマークできなかったのは2走前のチャンピオンズCだけ。その一戦もメンバー4位タイだったので、コース・距離問わず常に終いはしっかりと脚を伸ばしている。
1900mは初距離となるが、半弟が今年の天皇賞・春(G1)で3着に入ったテーオーロイヤルなら、距離延長にも不安はないだろう。
鞍上はみやこSから4戦連続での騎乗となる浜中俊騎手が務める。自慢の末脚をどのタイミングで引き出すかにも注目したい。
ダート重賞3勝の実績馬、スワーヴアラミス(牡7歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、13着に敗れたフェブラリーS(G1)から300m距離を延ばして巻き返しを図る。
この馬の特徴はとにかくズブいこと。勝利した2走前の東海S(G2)は、ほぼ追い通しといっていいほど鞍上の手が動いていた。それでもメンバー最速タイの上がり3ハロン時計をマークしたように、タフな競馬でも最後までバテずに走ることができる。今回も上がりの掛かる展開になれば、十分にチャンスはありそうだ。
今回と同じ舞台で行われた昨年10月のシリウスS(G3)の覇者サンライズホープ(牡5歳、栗東・羽月友彦厩舎)も勝機をうかがう。その後は15着、4着、12着と着順はさえないが、大敗した2戦はどちらもG1。2走前の東海Sは0秒3差で、G3なら侮れない。
この他には、先行力を武器に昨年オープンクラスを2勝、今年2月には佐賀記念(G3)で重賞初制覇を飾ったケイアイパープル(牡6歳、栗東・村山明厩舎)、2年前のジャパンダートダービー(G1)覇者のダノンファラオ(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)など、例年以上に豪華な顔ぶれとなりそうだ。
今後のダート路線を占う意味でも注目の平安Sは21日、15時35分に発走を予定している。
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