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JRA北村友一、横山一家と「全面戦争」勃発か…浦島状態がもたらした「立ち位置」の変化と大き過ぎた代償

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北村友一騎手 撮影:Ruriko.I

 昨年5月の落馬負傷により、長らく戦列を離れていた北村友一騎手が17日、栗東トレセンで約1年ぶりとなる調教騎乗を再開したことが分かった。

 よもやのアクシデントが発生したのは、クロノジェネシスに騎乗を予定していた宝塚記念(G1)前のタイミング。最愛のパートナーとも事実上のコンビ解消となり、元恋人にはO.マーフィーやC.ルメールら外国人騎手が跨った。

 3着に敗れた昨年の有馬記念(G1)を最後に現役引退したクロノジェネシスは、今後も繁殖牝馬として期待の大きい馬。いずれ生まれてくる産駒たちの騎乗を任されることもあるだろう。

 2006年にデビューした北村友騎手は、今年で17年目の中堅。今から3年前、2019年の大阪杯を9番人気アルアインで制したのが、G1初勝利とやや遅めのブレイクだった。これを契機にその後もクロノジェネシスやレシステンシアとの出会いもあり、G1勝利も5勝を数えるまでに成長したが、落馬で長期休養してしまったことは、大きな代償となりかねない。

浦島状態がもたらした「立ち位置」の変化と大き過ぎた代償

 なぜなら北村友騎手が不在の間に、少なからず立ち位置の変化があったからだ。

 例えば、先週末のヴィクトリアマイル(G1)で3着に入ったレシステンシアには、高松宮記念(G1)から横山武史騎手が騎乗。自身が乗れない間は、外国人騎手らが手綱を取ったが、ブレイク中の若手が関係者からの信頼を勝ち取ってのコンビだった。これまではトップジョッキーの2番手的なポジションといえる扱いだったものの、日本人の若手に騎乗依頼が回ったということは、再び騎乗するチャンスが遠のく意味となる。

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横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

 さらに痛恨となるのは、北村友騎手と親密な関係にある安田隆行厩舎の管理馬で、横山和生騎手が結果を残していることである。落馬負傷前には同厩舎の管理馬で主力級の好成績を残していたものの、落馬以降は横山和生騎手や岩田康誠騎手が、代わりのポジションに落ち着きつつある。

 また、安田翔伍厩舎においても親子で北村友一騎手を重用していたが、今年ここまで同厩舎が挙げた15勝の内訳は、横山典弘騎手が最多の6勝、和生騎手が5勝のワンツー状態となっている。

 横山典騎手は昨年、26年間続いていた重賞勝利がついに途絶える不調もありながら、栗東に本拠地を替えてから復調著しい。今年は既に重賞3勝を挙げ、NHKマイルC(G1)もマテンロウオリオンでクビ差の2着と存在感を見せたように、現役トップクラスの手腕はまだまだ健在だ。

 となると、復帰した北村友騎手としても、かねてからの付き合いで騎乗依頼をもらえたとて、新たなライバルの登場で以前ほどの騎乗数は得られないだろう。

 もはや浦島状態ともいえそうな立ち位置の変化もあっただけに、新たな得意先を見つけるなり、横山一家と全面戦争をしてでも、もう一度地盤を固めていく必要が出て来るかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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