コラムVol.149～心の可視化～

　人の心が読めたら、どんなに便利か。そう考える人々も少なくないだろうが、非難を承知で個人的な意見を言わせていただくと、その考えはまだまだ若輩者だ。

　他人の気持ちは、知らないのがベスト。ちょっと乱暴な言い方かもしれないが、知らないが故に人は他人に優しくできるわけで、知ってしまうと、逆に嫌悪感を抱くこともある。スマホの盗み見なんてものが良い例であろう。

　たとえ夫婦であっても、そもそも他人。分かり合えないのは当たり前であり、だからこそ、分かり合えるように努めることでお互いを尊重できると信じている。

　これはパチスロも同じで、内部状態を予想しながら、或いは設定を推測しながら打つことも楽しみのひとつ。チャンス役を引くたびに「高確ですよ」「天国ですよ」「ボーナス重複しましたよ」などと100％告知されたら興覚めだし、打ち始めた瞬間に「設定6ですよ」と店員さんに耳打ちされたら、後は作業になるだけでテンション激下がりだが、先日デビューしたパチンコ『Pミリオンゴッド-一撃-』だけは別だ。

　パチスロのモード移行を可視化。聞いた当初は「なにを言っておるのだ」と首を傾げたが、要するに各種役物を通常・天国準備・天国or超天国に見立てているわけで、その各種役物が中々にそそられるのである。

　当サイトでも幾度となく告白している通り、アタシは役物フェチである。早速、そのモード移行の可視化とやらを体感してやろうとホールへ出撃。運良くあった空き台に着席すると、ふと先輩ライターの言葉を思い出した。

「この台、第1関門がキツいんだよね」。筐体上部に鎮座する「天空神殿＆天空の門」は、3つの穴の中央突破でチャンス到来。その後、チューリップ役物に入れば第2関門「メデューサの砂時計」へ移行するわけだが、いざ玉が入っても中央突破しにくい上に、チューリップ役物が開くタイミングともなかなか合致しないのである。

　初のメデューサの砂時計、即ち天国準備移行までに8,000円。それは、チャンス役を引けども引けども状態が上がらない『ミリオンゴッド』シリーズの低設定のようで、まさしく「モード移行を可視化しているなぁ」と感心していたところ、あっさりとメデューサの砂時計ではハズレ穴に吸い込まれた。

　こうなると、もはや意地である。必ずや当るまで打ってやろうと覚悟を決め、追加投資すること7,000円。遂にメデューサの砂時計で「激熱ポケット」に玉が入り、スペシャルルートで焦らしに焦らして玉が落下、そのまま見事に「GOD SPOT」へと入賞した。

モードの可視化のみならず、人の心や人間性も露わにするマシン？

　記念すべき初当りは5連で終了。ここでヤメればほぼチャラだが、まだまだほかの当りパターンを味わいたい。そう思って打ち続けたところ、以降は相も変わらず第1関門突破率は低かったものの、メデューサの砂時計では「天国モード」からストレートに中央を駆け抜ける、羽根に押されて導かれる、いきなりのフリーズなど、様々な興奮パターンが発生。最後の神判でのプラス5セットこそなかったが、消化中の上乗せによる最大8連もあり、最高潮で1万9,000発ほどの出玉を獲得した。

　ただ、その後は一気に半分ほどの出玉が消滅。勝つには勝ったが、後半、かなりイライラしたことは間違いないのだから、この台はモードの可視化のみならず、人の心や人間性も露わにするマシンと言えるのではないでしょうか。オススメです。

（文＝濱マモル）
〈著者プロフィール〉
　神奈川県横浜市出身。レコード会社勤務の後、フリーライターへ転身。パチンコ・パチスロやギャンブル系を中心に、野球、音楽、街情報など幅広い分野で執筆する。特技は料理と飲酒で、超常現象好き。ドラマーとしての顔も持つ。
■Twitter（@hamamamoru777）:濱マモル

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