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JRA川田将雅「オウンゴール」が呼んだ皮肉な結末、母馬への想いも明暗…復活のC.ルメール「来週イクイノックスで頑張ります」

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C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

 22日、東京競馬場で開催されたオークス(G1)は、C.ルメール騎手の3番人気スターズオンアース(牝3、美浦・高柳瑞樹厩舎)が、桜花賞(G1)に続いて制覇。群雄割拠の3歳牝馬戦線から頭一つ抜け出した。

 桜花賞馬とはいえ、鞍上の川田将雅騎手による最高のエスコートも大きかったスターズオンアース。G1タイトルを戴冠しても、その実力を疑う見方も決して少なくなかった。さらに、8枠18番の大外枠を引いてしまったことも、1番人気をサークルオブライフに譲った理由の一つといえるだろう。

「彼女の血統はスタミナがありますので、距離を心配していませんでした。1600mで勝って、2400mで勝って、2000mも勝つことが出来ると思います」

 だが、レース後に三冠を仄めかしたルメール騎手のコメントは、パートナーへの信頼が伝わってくる内容だった。桜花賞前まで5戦1勝と勝ち切れなかった馬が、今やG1を連勝して二冠を達成。もはや挑戦者ではなく、王者としてライバルを迎え撃つ立場へと変わった。

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川田将雅騎手

 この結果に対し、避けて通れないのは、前走で手綱を取った川田騎手の存在だろう。二冠目の舞台では、アートハウス(牝3、栗東・中内田充正厩舎)とコンビを組んだ。同馬は、本番と好相性の忘れな草(L)を3馬身差の大楽勝。川田騎手が自身の手で桜の女王へ導いた元パートナーをルメール騎手に譲ったことで大きな注目が集まった。

川田将雅「オウンゴール」が呼んだ皮肉な結末

 アートハウスを選んだ理由に、現役時代にコンビを組んだ母パールコードへの想いを重ねたと説明した川田騎手だが、好位から伸び切れずに7着。“捨てた格好”の桜花賞馬に勝たれたことは、心中複雑に違いない。

 そして、川田騎手とは逆に新たなパートナーであるルメール騎手にとって、スターズオンアースこそ思い入れがある血統の馬だったというのも、皮肉な話ではないだろうか。

 何しろ祖母のスタセリタは、現役時代に手綱を取っていた馬。2017年のオークスを勝利したソウルスターリングはその仔でもあった。そして今回、孫にあたるスターズオンアースでオークスを優勝したため、3代続けてルメール騎手とのコンビでG1を制したことになる。

「ルメール騎手の見事な手綱捌きも光りましたね。スタートから促して中団に取りつくと、楽な手応えで外目を追走、ペースが流れているとみるや、無理に出していかずに追い出しをワンテンポ送らせてのゴーサイン。道中で伸び伸びと走れたことで末脚も溜まりました。

今年まだ重賞勝ちがなかった上に大外枠でしたから、てっきりツキに見放されているとばかり……。これで本人もスッキリできたでしょう。名手が本調子を取り戻したからには、来週も怖いですよ」(競馬記者)

 勝利騎手インタビューでは、「ちょっと久しぶりですからお待たせしました。また来週イクイノックスに乗るので頑張ります」とおどけて見せたルメール騎手。川田騎手にとって、譲った馬で“天敵”の目を覚まさせてしまったことは、オウンゴールのようなもの。日本ダービー(G1)でも最大の強敵となりそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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