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「覚醒」した大器、福永祐一と夢の続きへ

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福永祐一騎手 撮影:Ruriko.I

 悩める良血馬がついに覚醒した。

 17日、小倉競馬場で行われたメインレース・博多S(3勝クラス)は、福永祐一騎手の5番人気ルペルカーリア(牡4、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。昨年1月以来となる待望の2勝目を挙げた。

 同馬と言えば、父モーリスと母シーザリオの間に生まれ、G1・2勝のエピファネイアを兄に持つ超良血。母や兄の背中を知る福永騎手にとっては、デビュー時から主戦を務めているように思い入れの深い存在だ。

 デビュー前から世代随一の注目を集め、両親の馬名を合わせて「モーザリオ」という愛称で親しまれた素質馬だったが、これまでの道のりは決して楽なものではなかった。

 注目のデビュー戦は単勝1.8倍の断然人気を背負うも4着。2戦目で勝ち上がるも続く毎日杯(G3)で4着に敗れ、皐月賞(G1)への最後の切符を逃してしまう。

 その後は京都新聞杯(G2)で2着に好走。賞金的には足りそうだった日本ダービー(G1)への出走をパスし、兄エピファネイアも制した菊花賞(G1)へ照準を合わせた。

 ところが前哨戦のセントライト記念(G2)で7着に敗れ、とうとうクラシック最後の一冠を断念することに。年内は休養し今年1月の迎春S(3勝クラス)から仕切り直しとなった。

 しかし、悩める良血馬の本当の試練はここからだった。

 その後は条件戦で4戦するも、11着→6着→3着→11着とまさかの敗戦が続く。ネットの掲示板では「期待はずれ」「もうあの馬は終わった」などと一部ファンから厳しい声もあがっていた。

 そんななか、今回のレースはこれまでとは明らかに違う圧巻の内容だった。

 12頭立ての芝2000mの一戦でスタートを決めたルペルカーリアは、前半1000m通過58秒6のややタイトなペースのなか、道中で2番手を追走する。

 4コーナー手前で余力十分に先頭に立つと、鞍上がGOサインを出して最後の直線へ。そのままゴールまで脚色は衰えず、後続の追撃をしのぎきる完勝だった。

 勝ち時計の1分57秒0は、2週前に更新されたコースレコードに僅かコンマ2秒差の好タイム。ペースが流れ先行馬たちが軒並み敗れたことを考えると、先行して押し切った内容は評価できる。

 かつてクラシックを嘱望された逸材の1年半ぶりとなる復活劇に何より沸いたのはファンだろう。レース後にはネットの掲示板やSNSなどで「ついに覚醒した」「次も楽しみ」など祝福の声で溢れかえっていた。

「この形でこれからもやっていければ良いのかなと思います」

 レース後そう語った福永騎手。いよいよ覚醒した大器が重賞戦線を再び沸かせる日も近いかもしれない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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