1993年春の史上初Bタイプ機『トロピカーナ』を皮切りに、勢力的に新作を市場に投入してきた業界最大手メーカー、ユニバーサル。

　その1995年モデル第1弾として前年の暮れに発表されたのが、「キンカリ」こと『キングオブカリブ』である。

『キングオブカリブ』

　最大の特徴は、ビッグボーナス中のJACゲームが最大2回のBタイプ仕様にシングルボーナスの集中役が付いた、「史上初のB-Cタイプ」であること。

　出玉が少ない分、ビッグ確率は集中役搭載機にかかわらず一般的な純Aタイプ機並みに高確率。対する集中役についても、当選確率は全設定において非常に高い確率に設定されているのが特徴だ。　集中役の性能を決定づけるパンク確率は4号機で規定されている下限ギリギリの値となっており、先にリリースされたA‐C機『ソレックス』よりも長打に期待できる仕様となっている。「パーティーチャンス」と名付けられた集中役は、シングルボーナスが2.2分の1と非常に高く設定されていることもあり、1ゲームあたりの期待増枚数は＋3.49枚と出玉スピードは超速。

　しかし、いくらパンク確率が4号機の規定ギリギリに設定されているとはいえ、数値的には3号機のおよそ2倍もあり、長打は期待薄。1回あたりの平均獲得枚数は、集中役単体の場合はせいぜい300枚ちょっとだった。　それでも、うまくパンクを回避し最後にビッグで終了すれば、ワンチャンス千枚程度も充分、射程圏内。高確率ゆえの連打を射止めれば、これまた一気大量獲得のチャンスとなった。集中役のギャンブル性が大きく抑えられた4号機としては、性能的には申し分なしといったところであった。

　続いて、技術介入要素について。集中役搭載機は規定上、通常時の小役補正機能は搭載してはならないことになっているため、取りこぼしは丸損。面倒でも毎ゲーム目押しで小役完全奪取が推奨された。

　一方、ビッグ中のリプレイハズシについては当初、リール制御が変更されたことで従来のユニバーサル系マシンのようにハサミ打ちハズシが効かなくなってしまったため不可能と思われた。