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呆れるファン続出?小倉で起きた「8分の5」の非常識
「同じ厩舎の2頭出しは人気薄を狙え」「長距離は騎手で買え」「この条件はこの種牡馬の産駒が得意」など、古くからファンの間で囁かれているのが競馬の格言である。
これは今週末に新潟競馬場で開催されるアイビスサマーダッシュ(G3)においても同様で、「外枠の馬を狙え」といわれるだけあって、8枠の馬の好成績でも有名。1000mの直線競馬で馬場のいい外ラチ沿いを走れることが他馬に比べて有利ということだ。
血統やデータが重要とされる競馬だけに、過去の傾向や結果は予想をする上で欠かせないファクターとなっている。
7月から始まった夏の小倉も「開幕週は逃げ先行馬を狙え」という格言の正しさを証明するかのような前残りが続出。芝条件のレースで高速どころか“超速”とすらいえそうな快レコードが目に付いた。

ルーキーの今村聖奈騎手が重賞初騎乗初勝利を挙げたことで話題となったCBC賞(G3)もまた、高速馬場の恩恵を大きく受けたレースだった。
メンバー最軽量となる48キロの斤量とはいえ、果敢にハナを奪って逃げた前半600mのラップはなんと31秒8という超が付くハイペース。その結果、後続馬を置き去りにした圧勝劇は、良馬場で1分05秒8という、とんでもないレコードを生み出している。
昨年の勝ち馬ファストフォースがマークした1分06秒0も「いくらなんでも速過ぎる」と出走各馬の脚元を心配する声が出たほどだったが、それをさらに上回ったのが今年の小倉だ。例年以上に前にいないと競馬にならないといえるほど、“前残り” の傾向が顕著だった。
かといって、それは馬場状態の良好な開幕週特有の話であり、開催が進むとともに差し馬有利な馬場へとシフトしていくのが一般的な傾向である。2週休んで8月に再び開催を控えているとはいえ、先週の小倉は最終週。本来なら「最終週は差し追い込み馬を狙え」という格言の出番となるはずだろう。
だが、実際に確認してみたところ、開催が進むにつれて、むしろどんどん前の馬に有利になる正反対の事実が浮かび上がった。以下は芝のレースを対象とした1週ごとの開催における逃げ馬の成績とその勝率だ。
■7月小倉の逃げ馬成績と勝率(逃げの定義はTARGET frontier JVに準拠するものとする)
1週目、7.4.0.15/ 26、26.9%
2週目、6.0.2.16/ 24、25.0%
3週目、7.4.2.12/ 25、28.0%
4週目、7.2.2.11/ 22、31.8%
勿論、レースの展開や出走馬による誤差はあるだろうが、開催が進んでも前残りは減らず増える一方。常識的に考えるとそろそろ差し馬が台頭してきそうなタイミングでありながらも、「行った馬しか勝てない」状況が延々と続いていたということになる。
昨年に続いて小倉で行われた中京記念(G3)もハナを奪ってスローペースに持ち込んだベレヌスが逃げ切り勝ち。6番人気の伏兵だったものの、この「異常事態」を把握できていたファンなら容易に的中できたかもしれない。
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