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大躍進の横山和生、本人が明かした意外な「転機」とは

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横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

 1番人気が1度も勝利ができない波乱の連続となった今春のG1戦線。騎手に目を移しても横山武史騎手やC.ルメール騎手の不振が目立っており、それが“春の嵐”を演出した部分もあっただろう。

 その一方で今春に大きく飛躍を遂げたのが横山和生騎手だ。今春はタイトルホルダーとのコンビで天皇賞・春(G1)を勝利して自身のG1初制覇を達成すると、宝塚記念(G1)でも同馬の手綱を握りG1・2勝目。人馬共に“春の主役”と呼ぶに相応しい活躍を見せていた。

 今年は現時点で48勝。リーディング11位の好調を維持している横山和騎手。彼の今春の活躍のキッカケと言われて我々ファンが思い浮かべるのは、やはり昨年の有馬記念(G1)ではないだろうか。

 横山武騎手を背に菊花賞(G1)を制したタイトルホルダーは勢いそのままに有馬記念へ挑むこととなるが、そこにはもう1頭のお手馬エフフォーリアも参戦することに。横山武騎手はエフフォーリアに騎乗するということで、タイトルホルダーにはその代打として横山和騎手が抜擢された。

 このレースでは8枠16番の大外枠という不利もありながら、豪華メンバーの中で5着に善戦。ここで陣営からの信頼を掴んだのか、以降のレースでは横山和騎手がタイトルホルダーの主戦として引き続き騎乗を任された。結果的にこの有馬記念で弟の代役を務めたことが、今春のG1・2勝の活躍に繋がったといえる。

本人が明かした意外な「転機」とは

 しかし当の横山和騎手本人としては、これより前のとある出来事が、現在の活躍に繋がった“転機”と捉えている様子。先週25日に発売された『週刊Gallop』内のロングインタビューにて、意外な事が本人から明かされた。

「もっと一頭一頭の馬と向き合う時間を増やせるんじゃないかと思ったんです。それでエージェントさんを外してみることにしました。そこが間違いなく僕の転機になったと思います」

 本人の話によると、エージェントを外したことが大きかったらしい。実際に横山和騎手は過去には『競馬研究』の永楽裕樹氏をエージェントにつけていたが、20年以降はエージェントをつけていない。

 騎乗仲介者をつけない場合、騎乗馬の確保や各種スケジュールの管理などをすべて騎手自身で行う必要がある。普段の調教やトレーニングに加えて、自ら厩舎回りをして営業をかける必要もあり、多忙な騎手にとっては負担も大きくなると考えられる。

 しかし横山和騎手に関しては自身が“転機”として挙げているように、このエージェントを外してから成績が向上しているのだ。以下に挙げる直近5年の騎乗成績を見比べても、その傾向が顕著に表れている。

2018年 9-16-8-222/255
2019年 17-12-16-277/322
2020年 30-37-41-422/530
2021年 79-48-54-430/611
2022年 48-36-32-267-383(7月31日時点)

 このように19年以前は例年10勝前後で推移していたが、エージェントを外した20年には30勝と躍進。それから昨年、今年と飛躍的に勝利数を伸ばしていることがわかる。

 エージェントを外すという決断をした意図について横山和騎手は「もっと調教師さんや厩舎関係者と密にコミュニケーションを取り、僕の意見をダイレクトに伝えたかった」と語っている。人と人の繋がりを大切にし、密なコミュニケーションを積極的に求める姿勢が関係者からの信頼に繋がり、騎乗成績の向上にも結び付いたのかもしれない。

 騎乗馬確保に関する負担を考えれば、エージェントを外す決断は簡単ではなかったはず。それでも自らのポリシーを信じ、飛躍のきっかけを掴んだ横山和騎手。今秋にはタイトルホルダーとのコンビで凱旋門賞(仏G1)にも挑戦する予定であり、益々の活躍に期待が高まるばかりである。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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