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令和の「メジロ」にオールドファン感動?異例尽くしのニューヒーローが殊勲星

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 7日、新潟競馬場で開催された3歳のダート重賞レパードS(G3)は、7番人気の伏兵カフジオクタゴン(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)が勝利。下馬評こそ高くなかったものの、単勝オッズ4倍以下で「3強」を形成したタイセイドレフォン、ハピ、ホウオウルーレット相手に真っ向勝負で押し切った姿にニューヒーロー誕生を予感させた。

 また、この勝利に欠かせなかったのは、初コンビで殊勲星を手に入れたC.ホー騎手の存在だ。短期免許で来日して7月30日から騎乗し、実質4日目で早くも重賞勝ち。既に香港でトップクラスの実力を披露しているが、当初は日本の競馬に戸惑いも見えた。

 とはいえ、初日に挙げた初勝利が特殊な条件で行われる新潟千直だったことや、いきなり4連敗して本人も「好きではない」と言い放ったダートで、2勝目を手にした順応性の高さは特筆ものである。

 こちらについては、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterで「こういったタイミングで勝つのが外国人の勝負強さ。この結果を受けて来週からは有力馬が集まるはずやから、乗るか嫌うかが馬券のポイントになるやろね」と振り返った。

 続けて、「勝ったホーの乗り方とか追い方はオレの好みやないけど」と含みを持たせる発言を残したのは、安藤氏なりに思うところがあったのかもしれない。

「2勝目がダートの重賞となったのでダートのレースが好きになりました。そして矢作厩舎の皆さんに素晴らしい状態に仕上げて頂いて感謝しています。矢作厩舎を称えたいと思います」

 会心のレースをそう振り返ったホー騎手のコメントは、本人は追い切りで跨った際に少し太いと感じながら、レースまでに万全の仕上げで送り出した厩舎スタッフに対するリスペクトが伝わる。今回の来日は2022ワールドオールスタージョッキーズが開催される27・28日までとなるが、この勢いなら重賞2勝目も夢ではないだろう。

 また、カフジオクタゴンの勝利は、本馬の血統的な背景でもファンを驚かせた。

 何しろ父モーリスは、現役時代にダートのレースを使われたことのなかった馬。種牡馬となってからは、芝でこそ既に複数の重賞勝ち馬を出していたものの、産駒のダート適性は未知数だった。

 トータルの数字の上では芝に比べても善戦していたが、ダート重賞に出走した例は、ユニコーンS(G3)を8着に敗れたハセドンに続く2回目。ダートでもこうして走る馬が現れたのは、明るい材料といえそうだ。

令和の「メジロ」にオールドファン感動?

 これだけでも、ホー騎手含めて話題をさらったカフジオクタゴンだが、オールドファンを唸らせたのは、その体の4分の3を占める「メジロ」の血である。生産者がメジロ牧場の設備と繋養馬を引き継いだレイクヴィラファームということもあって、血統表にはメジロの冠名を持つ馬がてんこ盛りなのだ。

 父モーリスの母系にメジロが続くのは勿論のこと、母メジロマリアンの血を遡れば、メジロベイリー、メジロマックイーンといったG1馬の名前が目に入る。加藤守オーナーの冠名である「カフジ」がついているものの、誤解を恐れずに評するなら、見方によっては“メジロオクタゴン”のようにすら思えてくる。

 かつての名門メジロ牧場は、残念ながら競馬界から撤退してしまったが、令和になっても縁のある馬たちの名前を血統に持つ馬から、重賞を勝つニューヒーロー候補が登場したことは感慨深い。令和の「メジロ」の活躍を密かに喜んでいるオールドファンは、筆者だけではないはずだ。

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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