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森厩舎×藤田晋コンビの未出走馬が小倉2歳S挑戦か!?いつもの“奇策”と断定できないワケ

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 小倉2歳S(G3)に登録された未出走馬のフロムダスク(牡2歳、栗東・森秀行厩舎)が、話題になっている。新馬戦がスタートしてからまだ3か月という時期だけに、未勝利馬の名前は何頭か見られるが、未出走馬が重賞でデビューとなれば異例のことである。

 同馬を管理する森調教師は、徹底した合理主義者として知られている。オーナーのためにあらゆる選択肢を頭に入れており、時には奇想天外な“奇策”を成功させてきた。

 今回と同じケースとして記憶に新しいのが、2018年の弥生賞(G2)だ。同レースは皐月賞(G1)に向けたトライアル競走だが、森師はここに未出走馬のヘヴィータンクを出走させた。結果は10頭立ての10着。9着馬から20秒以上遅れて入線するという惨敗であった。

 しかし、着順やタイム差は大きな問題ではない。重賞競走の10着馬までに交付される出走奨励金と、全ての出走馬に交付される特別出走手当。この二つを合わせて、ヘヴィータンクは約150万円を稼ぎ出した。これは決して大きな額ではないが、弥生賞での走りを見る限り、新馬戦や未勝利戦に出走していても同じだけの賞金を獲得することは難しかっただろう。

 ヘヴィータンクはその後すぐに競走馬登録を抹消され、JRAから給付金150万円の受給対象となった。これで合計300万円。恐らくここまでが織り込み済みで、森師が能力の劣る馬で1円でも多く稼ぐために実行した戦術だったのだ。

 その後、重賞で出走奨励金を受け取るには1着馬から5秒以内(芝2000m以上のレースの場合)にゴールしなければならないというルールが新設されており、JRAにとっても衝撃的な出来事だったようだ。

いつもの“奇策”と断定できないワケとは…

 話をフロムダスクに戻すが、今回は少し事情が違いそうである。ヘヴィータンクの時は出走した時点で目的は果たしていたが、今回はまさかの上位進出もあるかもしれないのだ。

 まずはそのスピード能力についてだ。フロムダスクは7月後半に入厩し、栗東の坂路で丹念に乗り込んできた。中でも24日に記録した4ハロン48.8秒というタイムは出色である。森厩舎の調教は最初の1ハロンからスピードを出すため全体タイムも速くなりがちだが、それにしても並みの2歳馬では出ないタイムだ。

 実際、同日に森厩舎の重賞馬エヒト(牡5歳)が坂路調教を行っているが、そのタイムは49.9秒とフロムダスクより1秒以上遅い。もちろん手応えや騎乗者の体重など、能力以外にタイムを左右する要素はあるが、未出走馬と重賞ホースが比較されるだけで既にすごいことだ。筆者の主観だが、2歳馬であれば4ハロンを51~52秒台で走れれば速い方だろう。その点で当馬はスプリント戦で通用しうる下地を備えていそうだ。

 フロムダスクのオーナーは『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でおなじみ、サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏だ。藤田オーナーと森厩舎のコンビは実は昨年も近いことにチャレンジしている。当時未出走馬のデュガ(牡3歳)をオープン競走のフェニックス賞に出走させたのだ。結果は3着と好走し、その後も未勝利のまま小倉2歳Sに進むと、そこでも4着とまずまずの結果を残した。

 藤田オーナーが目先の賞金を欲しているとは思えず、昨年の実績をものさしとして今年も挑戦するのだとしたら、侮れない存在である。当記事の執筆時点でフロムダスクの出否は未定だ。ちなみに昨年も森師は未出走馬を重賞の新潟2歳S(G3)に登録したが、その時は未遂に終わりその馬は新馬戦へ回ることになった。

 デュガの件だけでなく、海外セール出身馬のジャングロでいきなり重賞制覇を果たすなど話題に事欠かない森調教師×藤田オーナーのコンビだけに、昨年を超える波乱を起こしても驚かない。まずは重賞出走の決断をするのか、木曜日の出馬投票に注目したい。

川瀬若馬

〈著者プロフィール〉

スペシャルウィークらと同世代の脱サラライター。2歳戦をこよなく愛し、POGにも傾倒。競馬にのめり込むきっかけを作ってくれたサトノダイヤモンドのようにスマートな馬を追い求めている。馬券はデータや指数など「数字」重視。回収率には目を背けることもある。

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