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JRAドゥラメンテの「秘密兵器」が菊花賞に名乗り! ラスト一冠に偉大な父が残した最高の置き土産、兄ジャックドールとの「決定的」な違い

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 秋競馬の到来を告げる今週末。3歳世代にとってはラスト一冠を懸けた熾烈な戦いが待っている。

 牝馬については、春の二冠を制したスターズオンアースが、両前肢第一指骨の剥離骨折が判明するアクシデントに襲われたものの、手術後の経過は良好。順調なら秋華賞(G1)に直行する見込みだ。

 ところが菊花賞(G1)を目指す牡馬の場合は、混戦どころか見当もつかないほどの戦国模様である。

 皐月賞馬ジオグリフ、春クラシック二冠でともに2着のイクイノックスは、距離適性を考慮して天皇賞・秋(G1)の参戦を表明。ダービー馬ドウデュースにしても、凱旋門賞(仏G1)を目標としているため、世代トップクラスの馬が揃って不在の状況だ。人気を集めたダノンベルーガにしても、陣営は今後のローテーションを明らかにしていない。

 実績ではダービー3着のアスクビクターモアに一日の長があるとはいえ、抜けた存在とは言い難く、夏の上がり馬にも戴冠のチャンスは十分に残されているといえよう。

ドゥラメンテの「秘密兵器」が菊花賞に名乗り!

 キタサンブラック産駒のガイアフォース、ブラックブロッサムらの動向も気になるところではあるが、菊花賞直行を発表したディナースタ(牡3、栗東・辻野泰之厩舎)の参戦は非常に楽しみだ。

 ドゥラメンテ産駒には、8月の藻岩山特別(2勝クラス)を快勝したドゥラドーレスもいるが、夏の札幌・芝2600mで2連勝を決めたディナースタの走りも、菊の秘密兵器といえる好内容だった。

 本馬の半兄ジャックドールは、デビューから先日勝利した札幌記念(G2)まで、一貫して芝2000mを使われてきた生粋の中距離馬としても有名だ。これと同じく弟のディナースタも当初は芝の2000m前後を使われていたのだが、日本ダービー(G1)出走を目指した春のプリンシパルS(L)でも11番人気の12着と振るわなかった。G1どころか、前哨戦でさえ通用しなかった現実に陣営の落胆も大きかったに違いない。

 しかし、距離を延長した夏の札幌でディナースタは別馬のように輝きを増す。

 前走より距離を3ハロン伸ばした芝2600mの積丹特別(1勝クラス)、札幌日刊スポーツ杯(2勝クラス)を立て続けに圧勝し、ステイヤーとしての素質を開花。菊花賞の穴馬としてスポットライトを浴びるまでに注目される存在となったのだ。

「半兄ジャックドールはスピードの生きる中距離で活躍していますが、これは父のモーリスの影響が強いでしょう。一方、半弟のディナースタの場合、父がドゥラメンテに替わったことでスタミナも補完されているのが大きな特徴といえます。

現役時代のドゥラメンテが長距離を使われたことはありませんでしたが、同じく距離延長が功を奏したタイトルホルダーの活躍を考えると、血統的にもステイヤーとしての適性があったと考えて良さそうですよ」(競馬記者)

 そう言われてみれば、ドゥラメンテの母系はエアグルーヴで有名な名牝ダイナカールの一族でもある。長距離については使われる機会がなかっただけで、もしダービー後の骨折がなく、無事に菊花賞に出走していたなら三冠を達成していた可能性も十分あったかもしれない。

 同じ夏の上がり馬として名前を挙げた先述の2頭が、ドゥラメンテが不在の菊花賞を制したキタサンブラック産駒というのも、偶然にしては出来過ぎた話だ。本番はもう少し先のことだが、両馬の産駒によるそれぞれの父の威厳を懸けた戦いが実現するようなら、血のロマンという意味でも楽しみの増えるラスト一冠となりそうだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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