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「ずっと騎手でいく」あの大物が武豊と同じ決断!? 噂の調教師転身に「白紙」宣言

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横山典弘騎手

 このところ、すっかり元気をなくしているのが横山典弘騎手だ。

 昨年は27年続いていた重賞勝ちが途絶えたものの、今年に入ってシンザン記念(G3)、アメリカジョッキークラブC(G2)、きさらぎ賞(G3)を制し、2月上旬という早い時期に重賞3勝の大活躍。売り出し中の息子である和生騎手や武史騎手を上回る存在感は、ファンの間でも話題を呼んだ。

 ところが、それ以降の重賞では先週のオールカマーでとうとう25連敗。気が付けば7か月以上も勝利から遠ざかっている状況だ。関西に拠点を移してから絶好調だっただけに、ベテラン騎手の復活を喜んだファンも少々淋しい思いをしているかもしれない。

 ときには観衆の度肝を抜くような大逃げや、1頭だけポツンと最後方から競馬をするなど、見ている側をハラハラドキドキさせることも横山典騎手の魅力だ。

 セイウンスカイとのコンビで武豊騎手のスペシャルウィークを破った1998年の菊花賞(G1)や10番人気イングランディーレで後続を封じ、7馬身差の逃げ切りを決めた2004年の天皇賞・春(G1)は、競馬史に残る「神騎乗」として挙げる声も多い。

 ただそんな「横山典マジック」が称賛される一方で、勝負を捨てているのではないかと誤解をされかねない不可解な騎乗を見せることもしばしば。いい意味でも悪い意味でも好き嫌いの分かれる人物でもある。

「語弊はありますが、見方によってはやる気があるのかないのか分からないように映る騎乗には、賛否両論といったところでしょうね。先週はまだマシな方でしたが、スタートから何もせずに後方を回ってくるだけの事も多々あるので、これに戸惑う関係者も少なくないようです。

当初は物珍しさもあってか関西でも騎乗依頼がありましたが、徐々に距離を置く関係者も増えてきました。今では松永幹夫や河内洋、石橋守など元ジョッキーの調教師と、昔からの縁がある昆貢厩舎や安田翔伍厩舎の騎乗依頼で何とか回している感じです」(競馬記者)

噂の調教師転身に「白紙」宣言

 また調教師への転身の噂も出ていた横山典騎手だが、今年は受験せず。周囲にも「調教師は諦めた。もうずっと騎手でいく」と話していたようだ。本人はまだまだ現役に乗り気だが、厳しい立場に置かれていることも事実。結果を残さなければ、騎乗依頼の減少は避けられないはずだ。

 そこへきてコロナ禍の鎮静化とともに、今後は短期免許の外国人騎手の来日も増えてくるのだから、状況は我々が思っている以上に深刻だ。ただでさえ激戦区の関西では、騎乗馬の確保もさらに難しくなるだろう。

 レース後のコメントもほぼ出してくれない横山典騎手に対し、フランクに喋る柴田善臣騎手のように丸くなってもらいたいと嘆くマスコミも多いようだが、こればかりは本人のポリシーという側面もあるため、おそらく今後もそうは変わらない。

 年も近くプライベートでも仲のいい武豊騎手は、調教師より騎手として現役を続けることにこだわりを見せているが、横山典騎手もまた同じ道を歩むのだろうか。

 武豊騎手とともに関東の大ベテランの今後も気になるところだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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