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武豊に捨てられた“怪物”の淋しい現状、元クラシック候補が異例の千直登録の禁じ手

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武豊に捨てられた怪物の淋しい現状、元クラシック候補が異例の千直登録の禁じ手の画像1
ディープモンスター 競馬つらつらより

 30日、東京では天皇賞・秋(G1)が開催されるが、その1レース前の東京10Rと裏開催の新潟11Rの特別登録馬が発表になっている。

 それを見ると目を疑うような1頭が重複登録されている。その馬とはディープモンスター(牡4、栗東・池江泰寿厩舎)だ。登録されていた2レースの内訳は、東京10RのペルセウスS(OP・ダート1400m)と、新潟11RルミエールオータムD(L・芝1000m・直線)。これまで芝の中~長距離を走ってきたディープモンスターとは、まったく条件が合わないレースだ。

 もちろん、陣営にしてもオープン特別を重複登録していたからといって、おそらく本気で出走しようと考えているわけではないだろう。なぜなら実際の目標は11月19日に開催される阪神11R、芝2000mのアンドロメダS(L)であり、これはオーナーである一口馬主クラブ、DMMバヌーシーの公式ツイートで明らかにされているからだ。

 要は目標であるアンドロメダS出走を確実にするため「権利獲り」を目的とした特別登録と考えられ、この両競走のいずれか、あるいは両方で出馬投票して抽選の結果除外されれば除外優先権が与えられ、原則として次走で優先的に出走が叶うというJRAのルールを利用したものだ。

 ディープモンスターは前走9月の札幌で開催された丹頂S(OP)でも、このレースより前に組まれた特別戦に登録し、権利獲りを目論んだ。おそらく必勝のつもりで臨んでいたであろうし、鞍上も川田将雅騎手を起用するなど、万全の態勢であったと推測される。芝2600mの長距離戦ということもあり、菊花賞(G1)で5着の実績を買われて1番人気に推されるが、結果は1馬身差をつけられる完敗に終わってしまった。

 収得賞金の加算に失敗し、今度こそ賞金加算を成功させて重賞出走のきっかけを掴みたいところ。そのために万全を期して条件が合わない特別戦に登録しているというわけだ。

 実際、この条件が合わないレースへの登録について、SNS上では千直のルミエールオータムDへの登録について「1000mなの?」「4度見くらいした、さすがに冗談だよな」「千直に登録してて草」など戸惑う声やこれはないだろう、という声が数多く上がっている。

武豊騎手に捨てられた“怪物”の淋しい現状…

 振り返れば2歳戦から3歳春にかけてはクラシックの有力候補として数えられた1頭であり、4戦目のすみれS(L)を勝ったときに鞍上の武豊騎手からは「3勝目ができてほっとしました。これでクラシックは賞金的に大丈夫でしょう」とコメントが出たほどの逸材でもあった。

 皐月賞(G1)こそ武豊騎手が骨折で騎乗できず、戸崎圭太騎手に乗り替わり7着。復帰した武豊騎手に手が戻った日本ダービー(G1)では「今年コンビを組むディープモンスターは凄く良い馬なので、とても楽しみです」とダービー6勝目に期待するコメントすら出ていた。だが、結果はその期待を裏切るブービー負け。秋はぶっつけ本番で菊花賞へ。ここでも辛うじて掲示板を確保する5着に終わった。

 このクラシック3戦で前哨戦をまったく使わなかったことが菊花賞敗戦によって裏目に出た。3歳春のすみれSの後は賞金がまったく上乗せされておらず、収得賞金が2100万円のままになってしまったのだ。その結果、今年初戦はリステッドの白富士Sを使うもここでも5着。ここまで継続騎乗していた武豊騎手に愛想をつかされたのか、前走で川田騎手に乗り替わったがそれでも勝てていない。

 目標のアンドロメダSでは、岩田望来騎手が予定されている。レジェンドが期待値の高いコメントを連発していたかつてのクラシック候補生だけに、このままでは終われないはずだ。

 賞金加算ができなければ重賞に登録しても確実に出走できる見込みは薄く、一介のオープン馬のまま。これまでの鬱憤を次走で晴らし、重賞の常連になる日は来るのだろうか。そして鞍上がレジェンドに戻る日は来るのだろうか。次走の結果を注目したい。

ゴースト柴田

ゴースト柴田

競馬歴30年超のアラフィフおやじ。自分の中では90年代で時間が止まっている
かのような名馬・怪物大好きな競馬懐古主義人間。ミスターシービーの菊花賞、マティリアルのスプリングS、ヒシアマソンのクリスタルCなど絶対届かない位置からの追い込みを見て未だに感激できるめでたい頭の持ち主。

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