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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

目薬、9割の人がやる「間違ったさし方」は危険!かえって悪化や失明寸前も

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
目薬、9割の人がやる「間違ったさし方」は危険!かえって悪化や失明寸前もの画像1「Thinkstock」より

 花粉症の目のかゆみをはじめ、疲れ目やドライアイなど、多くの方が“目のトラブル”を抱えています。そんな方々にとって、処方箋なしに手軽に薬局・薬店で買うことができる目薬は、今や生活の必需品となっています。

 しかし、多くの方が使っているにもかかわらず、目薬の正しい使い方をしている方は意外と少ないようです。

 ある調査では、33.5%が目薬をさし過ぎており、94.2%が点眼後に“目をぱちぱちさせている”など、適切な点眼を行っていない実態も明らかになりました。

 しっかりと正しい方法で目薬をさせば、適正な効果が得られますが、間違ったさし方をすると副作用の原因にもなりかねません。

 そこで今回は、目薬について、正しいさし方および注意点などについてまとめました。

正しい目薬のさし方

 まず、基本的な目薬のさし方について確認しておきましょう。

1.手を洗う

 目薬をさす前にすべきこと――。それは手洗いです。汚れた手で目薬をさそうとして点眼ビン、特に薬剤が出る尖端部分に触ってしまうと、目薬が汚染されてしまいます。まずはしっかりと手を洗いましょう。

2.目薬をさす

 そして点眼です。まずどちらかの手で目薬を持ちます。目薬を持っていない方の手で、まぶたを軽く下にひいておくと目薬の浸透が良くなります。この状態で目薬をさすのですが、滴下する目薬の量は通常は1滴で十分です。このことについては後で解説します。

 点眼ビンの先がまぶたやまつげに触れないように2~3センチ上から点眼します。まぶたやまつげに触れると、目薬が容器内を逆流することによって、目薬が汚染されるおそれがあるので注意が必要です。

 また、必要以上に上から点眼すると、目薬が目の中に入らないこともあり、目薬の無駄使いになりますし、目のまわりの皮膚に目薬がついてかぶれの原因にもなります。ちなみに、目の周りについた目薬はティッシュなどでふき取りましょう。

3.目を閉じる

 目頭付近に「涙点」と呼ばれる涙の通り道があります。涙点は涙腺から出ている涙を喉のほうに流すための管である「鼻涙管」に通じています。

 また、人間のまぶたには、結膜嚢といわれる袋のようなものがあり、ここに目薬がたまることによって徐々に眼の奥へと浸透していきます。そのため、目薬をさした後はしばらく目をつぶり、この涙点を塞いで結膜嚢に目薬がたまるようにして目薬が眼にしっかりと行きわたるようにしましょう。さらに目頭を軽く押さえるのも効果的です。

 目薬を行きわたらせようと何度もまばたきをしている方を見かけますが、これは“NG行為”です。まばたきを繰り返すことによって、涙と混ざり合った目薬が、目頭にある涙点へと集まってしまい、結果的に薬が目に十分に行きわたる前に流れていってしまいます。目薬をさしたら、まばたきせずに目頭を軽く押さえ、目をつむっておきましょう。

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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