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『モンテ・クリスト伯』支離滅裂すぎでもはやギャグ…逆に今後が気になって仕方ない!

文=吉川織部/ドラマウォッチャー

 ディーン・フジオカ主演の連続テレビドラマ『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』(フジテレビ系)の第2話が26日に放送され、平均視聴率は第1話より0.6ポイント増の5.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。

 日本では『巌窟王』の名で知られる有名小説を下敷きにした本作。原作通り、平穏に暮らしていた日々を突然奪われて、長い間過酷な環境で暮らした主人公・柴門暖(ディーン)が、自分を陥れた者たちに復讐を果たす――というストーリーになると予告されている。

 無実の罪で異国の牢獄に捕らわれた暖は、孤独のまま8年もの月日をひたすら過ごしていた。そんなある日、牢獄の床からひとりの老人が顔を出す。ファリア真海(田中泯)と名乗る老人はその国の元大統領で、脱獄を試みて穴を掘り続けているのだった。ファリアと話した暖は、自分が公安の入間公平(高橋克典)や同僚だった神楽清(新井浩文)たちに陥れられたことに気付く。感情を取り戻した暖は、日本に帰るべくファリアの穴掘りを手伝い始めた。

 それから数年経ち、穴は海に通じようとしていた。だが、脱獄を目前にしてファリアは息を引き取る。暖は袋に入れられたファリアの遺体と自らをすり替え、脱獄に成功する。ファリアが自分に託した莫大な財産を手にした暖は、モンテ・クリスト真海と名前を変え、かつて自分を陥れた人物たちの前に姿を現す――という展開だった。

 第1話も非常につまらなかったが、第2話は輪をかけてひどい。まず、満足な食事も与えられずに不衛生な環境に10年近くいたはずなのに、暖があんなに元気なのはなぜなのか。最初こそ服はボロボロで長髪の白髪とひげにまみれていたが、身なりを整えた姿は過酷な状況下で10年暮らした後とはとても思えない。普通ならもっと老けたりやつれていたりするはずだ。

 そもそも普通に考えて、あの環境で10年も生き延びるのは不可能だろう。病気になったらあっという間に死んでしまいそうだ。わずかばかりの食事と水で、穴掘りのような大変な作業を毎日続けられるとも思えない。暖がちょっとナイフでこすっただけで、いとも簡単に鎖が切れてしまうのも都合が良すぎる。

 脱獄してからどうやって日本に帰ってきたのかもほぼ不明だし、その後これまたいとも簡単にシンガポールに密航できてしまうのもあり得ない。シンガポールの銀行で流ちょうな英語を話すディーンの姿はさすがにかっこ良かったが、暖は英語が読めない設定だったはず。牢獄でファリアにさまざまな国の言語を学んだらしい描写は確かにあったが、ファリアを演じる田中泯の英語の発音はそんなに良くはなかった。暖がファリアより英語がうまくてはおかしいのである。

 最大のツッコミどころは、帰ってきた暖に誰一人気付かないこと。幸いなことにと言うべきか、あんな大変な目に遭ってきたのに暖の容姿は昔とひとつも変わっていないのだが、何も疑わずに別人だと思い込む人ばかり。暖も気付かせるような話をわざと振るのに、何も思い出さないらしい。別の男と再婚していた元妻・すみれ(山本美月)だけは気付いたかのような描写があったが、おそらくミスリードだろう。

 こんな調子でツッコミどころだらけなのだが、このくらいめちゃくちゃだと逆に「ネタドラマ」として楽しめるともいえる。まだ「ネタドラマ」と呼ぶには振り切り方が足りないが、この先もっとやりたい放題な展開が続くようだと、じわじわと支持を集めていく可能性もある。

 ただ、この先の展開で唯一心配なのは、いきなり大金が転がり込んで大金持ちになった人物による復讐ストーリーが、視聴者の支持を得られるのかという点だ。大金を手にしたんだからもういいんじゃないのかという気がしてしまい、主人公に共感できない可能性がある。

 ガチな復讐ではなく、大金持ちならではの、あっと言わせるドッキリもどきなど、社会的に成功している人物たちに格の違いを見せつける感じならおもしろいと思うが、はたしてどうなるだろうか。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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