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パナソニック、「盟友テスラの経営悪化」が深刻な経営リスク…主軸の車載事業戦略を見直し

文=編集部
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パナソニック、「盟友テスラの経営悪化」が深刻な経営リスク…主軸の車載事業戦略を見直しの画像1パナソニック(「Wikipedia」より)

 パナソニックの株価が続落。8月21日に前日比28円(2.0%)安の1332.5円の年初来安値を更新した。

 電気自動車(EV)向け電池や太陽電池を独占供給してきた米テスラの経営の先行きに不透明感が強まっており、外国人投資家がパナソニック株の保有を縮小する動きが続いている。年初来高値(1740.5円、1月9日)から23.4%下げた。

 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が8月7日、「1株420ドルで、テスラ株の非公開化を考えている。資金を確保した」とツイートしたことが騒動の発端だ。340ドル程度だったテスラの株価は7日の終値で379ドルに高騰。時価総額は640億ドル(約7.1兆円)超に達した。

 だが、「資金を確保したという部分は虚偽」との指摘が出た。マスク氏は13日、上場廃止に向け、サウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)と接触していることを明らかにした。交渉中であり、「資金は確保」という説明への疑念が広がった。非公開化の真偽や情報開示の手法をめぐり、米証券取引委員会(SEC)が調査に入ったことが明らかになった。

 さらに、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたマスク氏のインタビュー記事が追い討ちをかけた。

「この1年は難しく、痛みを伴い、耐えがたいほどつらかった」

 昨夏に出荷を始めたEVの量産車「モデル3」増産の苦労を、こう吐露した。インタビュー中に何度も涙を流し、言葉を詰まらせたという。

 最近は週120時間働き、「まったく眠れないか、アンビエン(睡眠導入剤)を服用している」とも明かした。精神的に動揺を見せたことも含め、「激務に耐えられるのか」との不安を招いた。

 マスク氏は8月24日、テスラの公式ブログで「株式非公開化の計画を撤回する」と発表した。撤回の理由として「株主から上場維持を求める声が多く寄せられたこと。非公開化の手続きに、当初想定していたよりも多大な時間がかかること」を挙げた。非公開化の構想は、2週間強で潰えた。

 上場を取りやめるとのツイートは、空港に向かう自動車を運転しながら発信したという。株主の利害を大きく左右する、最重要ともいえる経営方針をツイッターで表明したことに対し、「聞いたことがない」といった批判が噴出した。マスク氏の経営者としての資質を問う声も出た。

 週明けの8月27日の米株式市場でテスラの株価は、一時前週末比4.3%安の308.81ドルを付け、時価総額は526億ドル(約5.8兆円)まで目減りした。短期間で経営方針を変えた経営陣への信頼が低下したことから売りが膨らんだ格好だ。

 非公開化が虚偽なら、テスラ株で損失を被った投資家は黙っていないだろう。今後は、マスク氏の法的責任が焦点となる。

BusinessJournal編集部

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