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森由香子「間違いだらけの食」

糖質(炭水化物)を食べたことを“なかったこと”にしてくれる食べ方!

文=森由香子/管理栄養士
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糖質(炭水化物)を食べたことを“なかったこと”にしてくれる食べ方!の画像1「Gettyimages」より

 いっぱい食べても、なかったことにしてくれる――。こんな夢のような食べ物があったら、どんなにいいだろうと考えたことはありませんか。

 人間のカラダは、必要以上に食べれば、体脂肪へと変わるのは周知の事実です。特に糖質は摂り過ぎると、インスリンの働きにより中性脂肪として脂肪組織に蓄えられます。近年、ダイエットのために糖質をおさえる食事療法が注目を浴びて久しいですが、みなさんのなかには、本当はご飯やポテトが大好きだけど、ダイエットのためにぐっとこらえて我慢している方もいるでしょう。

 そんな方に朗報です!

「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」という糖質の仲間をご存じでしょうか。

 こちらは、簡単にいえば、糖質を“ないこと”にしてくれる成分です。ご飯やポテトなどに多く含まれる糖質は通常、胃腸で消化され小腸から吸収されます。その後、余分な糖質は体脂肪へと変わり体重増加につながります。

 ところが、糖質の仲間であるレジスタントスターチは、ヒトの小腸内での消化から逃れて体重増加に加担しません。「難消化性でんぷん」という名前のとおり、小腸内で消化されにくいため、体脂肪になりません。どちらかというと食物繊維のような働きをします。糖質であるにもかかわらず、食物繊維のような働きをするため腸内環境までも整えてくれる優れものです。ですので、これまでも知らない間にレジスタントスターチの恩恵を受けていたかもしれませんね。また、自分が思っていたほど糖質がカラダへ吸収されていなかったかもしれません。

 余談になりますが、食物には、いまだに解明されていない栄養成分が星の数ほどあるといわれています。食物を食べることで知らない間にカラダに貢献している成分があるかもしれないといういい事例でしょう。

糖質の一部の構造がレジスタントスターチに?

 では、どんな食品にふくまれているのでしょうか。

 レジスタントスターチは、もともと糖質の豊富な食品、たとえば、ごはん、ポテトなどに含まれていますが、ごくごく少量です。しかし、ある工程を行えばレジスタントスターチを増やすことができます。

 その工程とは加熱して、冷やすこと。そうすることで、糖質の一部の構造がレジスタントスターチに生まれ変わり、その結果、増えるのです。

 たとえば、ある実験データよれば、ゆでた直後の熱々のポテトは、レジスタントスターチが100g中5g含まれていますが、ゆでてから冷ますと100g中10gに増えます。おにぎりも、温めたものよりも冷たいもののほうにレジスタントスターチが多いことがわかっています。逆に、冷たいおにぎりを電子レンジなどで加熱すると、レジスタントスターチは減ることもわかっています。

 パンは、焼きたてよりも冷めてから、パスタは冷製パスタにすると、おにぎりと同じことが起こります。

 ダイエットのために大好きな糖質を制限している方は、少しだけ緩めてもよいかもしれ
ません。ぜひ、お試しください。
(文=森由香子/管理栄養士)

森由香子/管理栄養士

森由香子/管理栄養士

東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱している。「老けない人は何を食べているのか」「病気にならない人は何を食べているのか」「体にいい『食べ合わせ』」「太らない人の賢い食べ方」「老けない人の献立レシピ」など著書多数

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