石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

病気で早死する若者増で「親が子の葬式」多発…空腹のなさ&食の西洋化で短寿命化


 百寿者たちは病院や健康診断、人間ドックなどほとんどない環境で、毎日家事労働を強いられ、よく歩き、粗食と空腹のなかで生きてきた人たちである。

 百寿者たちと早死にする55歳以下の“若者”たちの寿命の長短を決めている要因は、肉・卵・牛乳・バター・マヨネーズに代表される高脂肪食の摂取の多寡、筋肉労働や運動の量の差などであろうが、ひとつにしぼれといわれると、私は日常的に「空腹」を経験したことがあるかどうかという点を指摘したい。

 空腹の効能については、空腹のときに「オートファジー」「オートリシス」「アポトーシス」などの現象が発現するほかに、細胞の中の「sirtuin(サーチュイン:長寿)遺伝子」が活性化することを、2000年に米国マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授が証明している。

 最低でも1日1回、空腹の時間を設けること、そしてお腹が空いてから食事をする(空いていないなら食べない)ことなどを心がけることによって、健康・長寿を心がけたいものである。
(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

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