南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

アレルギー持つ子激増、パンやラーメンの輸入小麦が原因?厚労省、国内で禁止の農薬使用を放置

小麦に使用されるポストハーベストの危険性

 日本で食べられている小麦は、ほとんどが輸入されたものであることは、よく知られています。そして、その小麦の質自体も疑われますが、筆者は、輸入の際のポストハーベストも、大きな影響があるのではないかと疑っています。

 ポストハーベストとは、収穫後の農作物に使用する農薬のことです。基本的に、日本国内でのポストハーベストの使用は禁止されています。しかし、輸入農作物に関しては使用が認められ、殺虫剤、殺菌剤、防カビ剤などの名目で使われているのが実情です。この場合、農薬としてではなく、なぜか「食品添加物」として扱われています。つまり、農林水産省ではなく、厚生労働省の担当になっているわけです。

 日本でポストハーベストが禁止されている理由は、もちろん危険だからですが、では輸入された場合は危険度が低くなるのでしょうか。そんなはずはありません。やはり農薬ですから、危険度は変わりません。食品添加物として取り扱えば危険ではなくなるわけでもありません。

 しかも、私たちが知ることができない重大な問題は、それらの農薬などの化学物質が複数、同時に使われた場合や、体内に入った場合にどのような影響があるかということです。通常、農薬や食品添加物などの合成化学物質が体内に入ると、それらは化学的な反応を起こします。そして、その危険度は増すと考えられています。化学物質の安全性は、単体でしか確認されていないので、どの化学物質とどの化学物質が、どんな反応を起こすかということについては、誰も知りません。

 日本で消費されている小麦の85%は輸入ものです。特別なものを除いて、そのほとんどにポストハーベストは使われています。大手の製パンメーカーのパン、インスタントラーメン、カップラーメンなどは、ほとんどすべて輸入小麦でつくられています。そして、それらの食品には、また別に大量の食品添加物が使われています。それらが、私たちの体の中で、子供たちの小さな体の中で、どのような反応を起こしているかは誰にもわかりません。

 気にしない方もいると思いますが、少しでも気にかかるという方は、それら輸入小麦を使っている食品を排除してみたらいかがでしょうか。それで、アレルギーなどの症状が改善されれば、もちろん良いことですし、仮に何も変化がなかったとしても、「将来起きるかもしれない体の異変を未然に防いだ」と考えればいいのです。

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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