田口淳之介保釈、衝撃の土下座で謝罪ぶち壊し…マジメな人ほど陥る“過剰”の罠

保釈された田口淳之介被告(写真:日刊スポーツ/アフロ)

 大麻取締法違反の罪で起訴されていた、元KAT-TUNメンバーの田口淳之介被告が湾岸警察署から保釈された際の様子は、芸能界謝罪史に残りそうな“トンデモ謝罪”だった。

 報道陣の前で反省の弁を述べたスーツ姿の田口被告は、確実に額が地面についているであろう、本気の土下座をおよそ20秒続けたのだ。当人の思いとは裏腹に、ネット上では「なんか笑ってしまう」などと半笑いの反応が多い。

 当記事では、スーツ着こなし指南本『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。』(CCCメディアハウス)の著者という立場から、田口被告の謝罪を読み解いていきたい。

反省の弁を台無しにした衝撃の土下座

 田口被告の土下座に「笑ってしまう」という意見はネットで多数出ていたが、筆者がこれを見て思い出したのは、漫画家・地獄のミサワ氏が描くキャラクター・masaだ。masaはポンコツサラリーマンなのだが、土下座一本であらゆるピンチをしのいできており、己の土下座には自負とプライドがあり、土下座の世界も奥が深いという設定なのだが、現実がギャグマンガに追いついてしまった。

 以前の記事で、泥酔して女性に暴行を加えて逮捕されたAAA・浦田直也氏の謝罪会見についても触れているが、浦田氏の場合は「記憶にない」を繰り返し、ヘラヘラとどこか他人事のように話す態度が「真剣味がない」と反感を買ってしまった。

 一方、田口被告の場合、その態度から反省していることは伝わる。反省の弁を見ても、「ファンや関係者への謝罪」「今後薬物には手を染めないことの宣誓」「信頼を取り戻せるように生きていく」など謝罪に必要な要素が簡潔に込められていて、きちんと練られているように思う。

 しかし、それらの「それなりにちゃんとしている中身」をぶち壊したのが約20秒の土下座であり、どう見てもやりすぎだ。謝罪は、浦田氏のように「謝罪していない」ように見えてもまずいのだが、田口被告のように「やりすぎ」でもまずい。「真剣味が足りない」も「やりすぎ」も、受け取る側がどう考えているかについて配慮が足りず、独りよがりな感じが出てしまう。

 田口被告の土下座には「パフォーマンス臭い」という批判もあるし、アイドル時代のファンからは「あんな姿を見たくなかった」という悲痛な声も上がっている。

 多くの人にとって、リアルで「土下座」を見る機会はあまりないはずだ。そのため、これで「土下座=田口被告」の印象が付いてしまったのではないだろうか。田口被告は当面は芸能活動を休止するようだが、もし芸能界に復帰する場合、この「土下座」をどう処理するのだろうか。ネタ扱いにして昇華するのだろうか。

「浦田氏や田口被告のようなヘマなど、自分は踏まない」というビジネスパーソンがほとんどだと思う。しかし、たいてい謝罪するときは「こちらの過失でまずいことをし、テンパっている」場合であるはずだ。「テンパっている」ときは、普段ならできるまともな判断ができなくなってしまうものだ。特にまじめな人ほどそのまじめさが過剰に分泌され、「田口型」になる危険性を秘めているので、気を付けたいところだ。謝罪は過剰にすればいいものではない。

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