Jブルークレジットとはのキービジュアル

はじめに

Jブルークレジットとは?

Jブルークレジットの価格はいくらか

Jブルークレジットの購入方法

J-クレジットとの違い

GX-ETSでの扱い

購入後に確認する管理簿と無効化

調達前チェックリスト

まとめ

出典・参考

よくある質問(FAQ)

Jブルークレジットは、藻場や干潟などのブルーカーボン生態系によるCO2吸収・貯留を対象にしたクレジットです。購入側にとって重要なのは、「海の保全を支援できる」という説明力だけでなく、価格、購入できる主体、使える制度、購入後に残す証憑を分けて確認することです。

この記事では、Jブルークレジットを購入・調達する企業の担当者に向けて、価格目安、購入方法、J-クレジットとの違い、GX-ETSでの扱い、管理簿と無効化の確認点を整理します。制度の創出・認証申請手順は補足にとどめ、購入判断に必要な実務情報を優先します。

はじめに

Jブルークレジットの概要

Jブルークレジットは、価格・用途・購入主体・制度用途・購入後の証憑を分けて見ると判断しやすいクレジットです。

最初に押さえるべき結論は、Jブルークレジットは任意のカーボン・オフセットや環境活動の開示に使いやすい一方、すべての制度報告にそのまま使えるわけではない、という点です。特にGX-ETS、温対法、省エネ法などの制度名が出る場合は、対象制度と正式な扱いを一次ソースで確認する必要があります。

購入側の社内稟議では、次の順で整理すると説明がぶれにくくなります。

判断軸購入前に確認すること
使い道自主的なカーボン・オフセット、海洋保全支援、環境活動の開示か
価格参考平均、公募結果、指定単価、税込・税抜のどれを見ているか
購入主体公募要領上、申込できる法人・団体に該当するか
制度用途任意開示なのか、GX-ETSなど制度上の利用を想定するのか
証憑管理簿、シリアル番号、無効化記録、証書を保存できるか

Green Carbon実務メモ:稟議前には「対象プロジェクト」「希望数量」「税込・税抜」「無効化予定日」「社内開示文面」を1枚にまとめると、購入後にレポートや商品説明へ転用しやすくなります。

Jブルークレジットとは?

Jブルークレジットとは

Jブルークレジットとは、ブルーカーボンを定量化し、JBEが認証・発行・管理する独自クレジットです。

ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)は、Jブルークレジットを「ブルーカーボンを定量化して取引可能なクレジットにしたもの」と説明しています。対象は、藻場、干潟、塩性湿地、マングローブなどのブルーカーボン生態系で、CO2吸収・貯留量を実績に基づいて評価します。

購入側が誤解しやすいのは、Jブルークレジットを「将来の保全見込み」に対して買うものと捉えることです。制度上は、対象活動の実績、ベースライン、吸収・貯留量の算定、第三者委員会による審議、JBEによる認証・発行という流れで扱われます。購入時には、対象プロジェクトの活動内容と、どの年度の吸収・貯留実績に基づくクレジットなのかを確認します。

カーボンクレジット全体の位置づけを確認したい場合は、先にカーボンクレジットとはの基礎を押さえると、Jブルークレジットの特徴を理解しやすくなります。

また、ブルーカーボンのような自然資本の説明価値を整理する場合は、自然由来クレジットの価値も合わせて確認すると、CO2量以外の社内説明を作りやすくなります。

Jブルークレジットの価格はいくらか

Jブルークレジットの価格

Jブルークレジットの価格は、2026年6月29日現在の参考公募譲渡平均単価で税込75,900円/t-CO2です。

ただし、実際の購入価格は公募方式や対象プロジェクトによって変わります。購入前には「参考平均」「過去公募結果」「指定単価」「税込・税抜」を同じ表で分けて確認してください。

時点・公募数量・条件単価読み方
2021年度取引概要譲渡総量64.5t-CO2税抜72,816円/t-CO2初期公募実績の参考値
令和7年度(2025年度)年度内結果確定分譲渡総量229.3t-CO2、税抜総額19,040,000円税抜83,035円/t-CO22026年3月23日にJBEが公表した平均値
2026年6月29日現在の手数料一覧直近2年以内の公募譲渡平均単価を参照税込75,900円/t-CO2、税抜69,000円/t-CO2移転登録・無効化手数料の算定にも使う参考平均
令和8年度指定単価公募0.1t-CO2単位で指定単価を掲載税込5,500円/0.1t-CO2、税込9,900円/0.1t-CO2など1t換算では税込55,000円/t-CO2、税込99,000円/t-CO2など

価格を比較する際は、J-クレジットの相場と単純に横並びにしない方が安全です。Jブルークレジットは、CO2量だけでなく、海洋保全、地域性、自然資本、ブルーカーボンの希少性を説明できる点に価値があります。稟議では「安いか高いか」だけでなく、「どの活動を支援し、何の開示文脈で使うのか」までセットで示すと通りやすくなります。

Jブルークレジットの購入方法

Jブルークレジットの購入方法

Jブルークレジットは、JBEの購入申込者公募を確認し、対象プロジェクト、数量、単価、期限を見て申し込みます。

令和8年度の指定単価公募は、JBEの公募ページで対象プロジェクトごとに申込期限、申込単位、指定単価、申込方法が示されています。公募期間は2026年3月26日から2027年1月22日13時までとされていますが、対象クレジットの在庫や条件は案件ごとに変わるため、申込前に最新ページを確認します。

基本的な流れは次の通りです。

1. JBEの公募ページで対象プロジェクト、数量、単価、申込期限を確認する。 2. 自社の購入目的、希望数量、予算、無効化予定日を整理する。 3. 公募要領に沿って申込書類を提出する。 4. 割当・支払などの案内に従って手続きを進める。 5. 購入後に管理簿、シリアル番号、無効化記録、証書を保管する。

購入者は、原則として国内に本店または主たる事務所を有する法人等が想定されています。個人や海外法人での購入可否、代理購入、グループ会社名義での扱いは、公募要領やJBEへの確認が必要です。

J-クレジットとの違い

JブルークレジットとJ-クレジットの違い

JブルークレジットとJ-クレジットの違いは、対象活動、制度主体、使える用途、説明しやすい価値にあります。

J-クレジットは、省エネルギー設備、再生可能エネルギー、森林管理などによる排出削減量・吸収量を国が認証する制度です。一方、Jブルークレジットは、海洋のブルーカーボン生態系による吸収・貯留を対象にしたJBEの独自クレジットです。

比較項目JブルークレジットJ-クレジット
主な対象藻場、干潟などブルーカーボン生態系省エネ、再エネ、森林管理など
認証・運営JBEが認証・発行・管理国が認証する制度
説明しやすい価値海洋保全、地域性、自然資本排出削減、吸収、制度対応
購入時の見方公募ごとの数量・単価・証憑用途、方法論、登録簿、価格
主な検討場面任意オフセット、環境活動開示、地域連携温対法・任意オフセットなど幅広い用途

購入側の記事では、Jブルークレジットを「J-クレジットの代替」とだけ見るより、海洋保全を説明したい場面に合うクレジットとして位置づける方が自然です。制度対応の可否や価格比較を深掘りする場合は、J-クレジットと自然由来クレジットも参照し、J-クレジット側の制度資料も別途確認してください。

GX-ETSでの扱い

JブルークレジットとGX-ETSの関係

JブルークレジットのGX-ETSでの扱いは、GXリーグ側のガイドラインとJBEの公表を分けて読む必要があります。

混同しやすい日付は2段階です。2024年4月19日は、GXリーグが「GX-ETSにおける適格カーボン・クレジットの活用に関するガイドライン」を策定した日です。Jブルークレジットは、J-クレジット等と同じ枠ではなく、正式には「その他の適格カーボン・クレジット」に関係する枠として確認します。

一方、2024年10月16日は、JBEが認証・発行済Jブルークレジットについて、GX-ETS第1フェーズでの適格カーボン・クレジットとしての扱いを公表した日です。JBEはJブルークレジットの制度運営主体ですが、GX-ETS全体の運営主体ではありません。そのため、本文や稟議資料では「JBEがGX-ETS上の判断主体である」と読める表現は避けます。

日付主体行為購入側の読み方
2024年4月19日GXリーグガイドライン策定適格カーボン・クレジットの枠組みを確認
2024年4月22日GXリーグ「その他の適格カーボン・クレジット」に係る登録等の受付開始民間クレジット等の適格性確認手続きの開始
2024年10月16日JBE認証・発行済Jブルークレジットの扱いを公表JブルークレジットのGX-ETS第1フェーズでの適格化に関する告知

GX-ETSでの利用を前提に購入する場合は、対象年度、対象フェーズ、登録状況、使用量、社内の排出量管理との対応を必ず確認してください。

購入後に確認する管理簿と無効化

Jブルークレジットの管理簿と無効化

Jブルークレジット購入後は、管理簿、シリアル番号、無効化記録、証書を保存し、開示文面と対応させます。

JBEは、Jブルークレジット制度でクレジット管理簿を整備し、認証・発行、譲渡、保有、無効化などの情報を管理しています。購入側が特に確認したいのは、どのクレジットを何t-CO2保有し、いつ無効化したのかを後から説明できる状態にすることです。

証憑確認内容
申込・承諾に関する書類購入者名、対象プロジェクト、数量、単価、税込・税抜
クレジット管理簿シリアル番号、保有名義、数量、ステータス
無効化記録無効化年月日、数量、シリアル番号
証書・社内記録オフセット対象、対象期間、開示文面、承認者

特に、レポートや商品訴求で「Jブルークレジットを活用した」と表現する場合は、無効化済みか、保有中か、証書発行済みかを分けて管理します。二重計上を避けるためにも、同じクレジットを複数の目的に重複利用しない運用が必要です。

調達前チェックリスト

Jブルークレジットの購入前チェックリスト

Jブルークレジットを購入する前に、目的、予算、期限、証憑、説明文面を確認しておくと稟議が進めやすくなります。

購入前チェックリストは次の通りです。

チェック項目確認する理由
購入目的は自主的オフセットか温対法や省エネ法など制度報告とは扱いが異なるため
対象プロジェクトが自社の開示方針に合うか海洋保全、地域性、自然資本の説明力が購買理由になるため
単価と希望数量が予算に合うか指定単価と在庫は案件ごとに変わるため
無効化と証書発行が開示予定に間に合うかレポート、商品訴求、イベントで使う時期を左右するため
管理簿とシリアル番号を取得できるか保有・無効化・二重計上防止を説明するため
GX-ETSや温対法の用途を誤認していないか使える制度と使えない制度を分けるため

JBEのFAQでは、保有・取引・無効化などに関する確認事項が整理されています。制度報告での扱いを想定する場合は、JBE資料だけでなく、対象制度の運営主体や社内の会計・サステナビリティ担当にも確認してください。

まとめ

Jブルークレジットのまとめ

Jブルークレジットは、価格、制度用途、証憑をそろえて確認すれば、購入判断しやすいブルーカーボン由来クレジットです。

2026年6月29日現在の参考公募譲渡平均単価は税込75,900円/t-CO2で、令和8年度指定単価公募では0.1t-CO2単位の価格がプロジェクトごとに示されています。購入側は、平均単価だけでなく、対象プロジェクト、希望数量、税込・税抜、申込期限、管理簿、無効化記録を同じ稟議資料で確認しましょう。

また、GX-ETSでの扱いは、GXリーグのガイドライン策定日とJBEの公表日を分けることが重要です。JBEをGX-ETS全体の判断主体のように書かず、「その他の適格カーボン・クレジット」の枠とJBEの公表事実を分けて整理してください。

出典・参考

  • ジャパンブルーエコノミー技術研究組合「Jブルークレジット認証・発行/公募/認証申請等」https://www.blueeconomy.jp/credit/ (参照 2026-07-10)
  • ジャパンブルーエコノミー技術研究組合「Jブルークレジット購入申込者公募(指定単価)[令和8年度]」https://www.blueeconomy.jp/credit/public-offer-permanent-r8d/ (参照 2026-07-10)
  • ジャパンブルーエコノミー技術研究組合「Jブルークレジット各種手数料一覧(2026年6月29日現在)」https://www.blueeconomy.jp/wp-content/uploads/jbc2026/20260629JBC-commission.pdf (参照 2026-07-10)
  • ジャパンブルーエコノミー技術研究組合「令和7年度(2025年度)Jブルークレジット購入申込者公募(年度内結果確定分)結果の公表」https://www.blueeconomy.jp/wp-content/uploads/press/20260323JBE-press.pdf (参照 2026-07-10)
  • ジャパンブルーエコノミー技術研究組合「Jブルークレジット クレジット管理簿について」https://www.blueeconomy.jp/credit/registry-commentary/ (参照 2026-07-10)
  • ジャパンブルーエコノミー技術研究組合「GX-ETS(第1フェーズ)での適格カーボン・クレジットに関するJBE公表資料」https://www.blueeconomy.jp/wp-content/uploads/press/20241016JBE-press.pdf (参照 2026-07-10)
  • GXリーグ「GX-ETSにおける適格カーボン・クレジットの活用に関するガイドラインを策定いたしました」https://gx-league.go.jp/news/20240419/ (参照 2026-07-10)
  • 経済産業省「J-クレジット制度」https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyou_keizai/japancredit/index.html (参照 2026-07-10)

よくある質問(FAQ)

Q. Jブルークレジットの価格はいくらですか?
A. 2026年6月29日現在のJBE手数料一覧では、参考公募譲渡平均単価が税込75,900円/t-CO2です。ただし、実際の購入価格は公募方式や対象プロジェクトによって変わるため、指定単価公募では案件ごとの単価を確認します。

Q. Jブルークレジットは誰でも購入できますか?
A. 公募では、原則として国内に本店または主たる事務所を有する法人等が対象として示されています。購入主体、申込方法、申込単位は公募ごとに確認してください。

Q. JブルークレジットとJ-クレジットの違いは何ですか?
A. Jブルークレジットは藻場や干潟などブルーカーボン生態系を対象にしたJBEの独自クレジットです。J-クレジットは、省エネ、再エネ、森林管理など幅広い排出削減・吸収活動を国が認証する制度です。

Q. JブルークレジットはGX-ETSで使えますか?
A. JBEは2024年10月16日に、認証・発行済JブルークレジットのGX-ETS第1フェーズでの扱いを公表しています。ただし、GX-ETS全体の運営主体はJBEではないため、対象フェーズや登録状況はGXリーグ側のガイドラインと合わせて確認します。

Q. 購入後に何を保存すべきですか?
A. 申込・承諾書類、管理簿情報、シリアル番号、無効化記録、証書、社内開示文面を保存します。後から「何の排出を、どの数量で、どのクレジットによりオフセットしたか」を説明できる状態にしておくことが重要です。