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ドコモdビデオ、人気の先行hulu猛追?…ビデオ・オン・デマンドサービスに異変

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「dビデオ」(NTTドコモ)の
ホーム画面より
 ブロードバンド接続でビデオを見ることができるビデオ・オン・デマンドサービスが、その利便性から、最近ではレンタルビデオサービスを追い詰め始めている。この流れのなかで無視できないのが、北米からやってきたサービス「hulu」だ。日本では2011年9月からサービスが開始されたのだが、開始からすぐに高い人気を持つサービスとなった。理由としては、従来の国内のビデオ・オン・デマンドサービスがパソコンやスマートフォンなどで見ることができず、テレビを中心としたものであったこと、そして、huluの利用料金が安くコスパが高いことがある。

 時間が流れ、国内のビデオ・オン・デマンドサービスの中でも、U-NEXTはパソコンやスマートフォンへとプラットフォームを広げたが、huluほどの勢いを感じるサービスにはなっていない印象がある。huluは、スマートTVはもちろん、Apple TVやプレステ3、Wii、Xbox360などでも利用することができ、プラットフォーム力、利用価格の安さ、海外ドラマに強いコンテンツ力、画質の良好さなどの総合力はやはり強力だ。

●意外なところから強敵が出現

 そんな国内ビデオ・オン・デマンドサービスの中でも、さまざまな競争が起きるのは必然。最近では、抜群人気のhuluに挑戦するようなサービスが登場してきている。

 それがNTTドコモ、ソフトバンク、auなどの携帯通信キャリアのビデオ・オン・デマンドサービスだ。これらのサービスの特徴は、スマートフォンを中心としつつも、より幅広いプラットフォームに対応するようになっていること。そして、月額500〜600円程度という利用料金の割に、コンテンツが充実していることだ。

 中でも注目されているのが、ドコモのdビデオ。2013年3月の時点でそのユーザー数は実に400万人を突破している。同時期にソフトバンクのUULAが30万人突破と公表。サービス開始から1カ月後の値なので、これもすごい数字だ。ちなみにhuluは会員数を公表していないが、U-NEXTは昨年半ばの段階で16万人という数字が出ているので、このスマートフォンをターゲットとしたサービスのユーザー数が、いかに大きな数字かがわかる。

●dビデオの強みとは?

 dビデオがその驚異的なユーザー数をゲットしている理由は、第一には利用料金の安さがあるだろう。そして、月額525円という価格のわりにはコンテンツが豊富だ。映画やドラマのようなビデオだけでなく、音楽、オリジナルコンテンツなど幅広く楽しめる。音楽コンテンツは、エイベックスのアーティストのライブビデオ、ミュージック・ビデオ、カラオケなどがあり、幅広く楽しめるのもhuluにはない魅力だ。ビデオに関しても、日本国内のコンテンツには強みを感じるところがある。

 また、dstickというオプションを使えばHDMI対応テレビでdビデオコンテンツを楽しめるし、ドコモの販売する「dtab」というタブレットでもコンテンツを楽しめ、スマートフォン、テレビ、タブレットという主流プラットフォームを押さえていることになる。

 逆に現時点でのdビデオの弱点は、スマホをターゲットとした映像クオリティが、テレビに表示した場合にどの程度受け入れられるか? ということがある。huluはビデオ・オン・デマンドの中でも高画質で定評があるサービスだからだ。

 とはいえ、スマートフォンを中核としたdビデオは、現在のテレビを持たないというような若者には強烈にアピールしそうなサービスであり、今後もユーザー数を伸ばしていくことだろう。これに対して、huluの利点は比較的高画質なのでテレビなどで有利であること。そして、北米からやってきたサービスならではの独自コンテンツ力だ。

 現時点ではその特性の違いから、あまり競合しないようにも見えるが、海外ドラマが好きな人、高画質に視聴したい人以外は、そのコスパから徐々にdビデオに移行する可能性も高い。

 dビデオはドコモのサービスなので、利用できるのはドコモユーザーに限定されるが、他キャリアのビデオサービス、auのビデオパス、ソフトバンクのUULAなどもユーザー数を伸ばしていく可能性が高く、携帯キャリアの提供するビデオサービスは今後、日本のオン・デマンド・ビデオ界で、1つの大きな勢力を形成していくことになりそうだ。
(文=一条真人/フリーライター)