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マツダ、業績低迷から一転、過去最高益を招いた「モノ造り革新」 利益率でホンダ凌駕

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マツダ本社(「Wikipedia」より/Taisyo)
 製造業は為替の変動に一喜一憂して恒常的な構造改革を怠っていると必ずあとでしっぺ返しを食らう。今の円安に安住すべきではない――。こうした主張を筆者はしてきたが、4月25日に発表された本田技研工業(ホンダ)とマツダの決算を取材していてその感をますます強めた。

 まず、ホンダの2014年3月期決算(13年4月~14年3月)の売上高は前期比19.9%増加の11兆8424億円、本業の儲けを示す営業利益は37.7%増の7502億円。営業利益率は5.5%から6.3%に上昇した。営業損益段階の増益要因として最も大きいのが「為替影響」で2887億円、続いて販売増による効果が533億円だった。

 マツダの同期決算は売上高が22%増加の2兆6922億円、営業利益は過去最高となる3.4倍の1821億円。営業利益率は2.4%から6.8%に大幅に改善し、ホンダを上回る。同じく増益要因の最も大きいものが「為替影響」で1127億円、続いて販売増による効果が550億円だった。

 両社の決算を見る限り、円安効果がいかに大きいかがわかる。ただし、円安効果は外貨の売上高を円に換算する場合に発生する差益であり、それ自体は企業の自助努力とはほとんど関係ない。むしろ注目すべきは、販売増による効果である。なぜなら、販売増による増益効果とは主に、

(1)台数の伸び
(2)無理な値引きをしない
(3)設計・製造プロセスの改革などによって1台当たりのコストを下げて、利益率の高い車を売る

ことで生じるものであり、ここに企業の自助努力の部分、たとえばブランド戦略やコスト構造改革などの戦略的な要素が多分に含まれるからである。

●販売増効果はマツダがホンダを上回る

 そうした視点でホンダとマツダの決算を比較すると興味深い。ホンダよりも圧倒的に規模が小さいマツダのほうが販売増による効果の額が大きい。売上高では、マツダはホンダの4分の1にも満たない。グローバル販売台数もホンダの432万台に対しマツダは133万台と3分の1以下である。しかし、販売増による効果は、ホンダの533億円に対してマツダは550億円もある。これは、マツダがいかに、利益率の高い車を値引きせずに販売を増やしているかを物語っており、マツダの自助努力の成果である。

 これはホンダの自助努力が足りないというわけではない。15年3月期決算では、ホンダの販売増効果は1257億円、マツダのそれは600億円の見通しであり、両社ともに前期を上回ると同時にホンダがマツダを抜く。ただ、マツダは引き続き高水準の販売増効果を維持することで、15年3月期も過去最高益を更新する見通し。円安による増益効果は両社ともに一服し、ホンダの為替影響はマイナスに転じて670億円の減益要因となり、マツダも同様に30億円の減益要因となる。だからこそ、企業が安定した収益を出し続けるためには、自助努力によって達成できる販売増効果を追い求めていかなければならないのである。