Lenovoのスタートアップ支援が産業の創出をサポートする——創業と成長を支える伴走力とは

●この記事のポイント
・レノボ・ジャパンがスタートアップに向けて展開する「Lenovo for start-ups」は、創業者の多くが悩むポイントに寄り添うサービスである。
・単にパソコンを貸し出すのではなく、ハードウェア支援を通じてスタートアップエコシステムに寄与するものであるという。
世界を変える技術や、これまでにないアイデア。そんなプロダクトの根幹になる部分にすべての時間を使いたい——。これはスタートアップ創業者やメンバーの誰もが感じることではないでしょうか。
しかし、スタートアップには、パソコンのセットアップやセキュリティ設定、キャッシュフローへの不安など、本業とは違う部分で予想以上に多くの課題があるのです。
そんなスタートアップの“痛点”を、ハードウェアの側面から根こそぎ支援するのがレノボ・ジャパンの「Lenovo for start-ups」。
なぜ、ハードウェア支援が必要なのか、グローバル企業であるLenovoが日本でサービスをスタートしたのはなぜか。
レノボ・ジャパンの中田 竜太郎氏に、日本企業のスタートアップの課題と可能性にアプローチする、Lenovoの“伴走力”の根源をお聞きしました。
目次
スタートアップのハードウェア支援、なぜ必要?

——Lenovo for start-upsの概要について教えてください。
Lenovo for start-upsは、スタートアップ企業に対してハードウェアの観点からサポートするサブスクリプションサービスです。
スタートアップにおいてよくある、コーポレートITにかける時間のせいで本業に十分なリソース注入が困難になる、そもそもコーポレートITの整備が手薄になってしまう、という課題にアプローチしています。
内容としてはおもに、
●創業初期に必要な情報を提供する「ナレッジインジェクション」
●デバイスを業務に応じてセレクトして特別価格で提供する「スペシャルオファー」
●法人として必要なセットアップやセキュリティ設定を1台から対応する「セットアップサービス」
この3つです。
——この3つのポイントからアプローチすることが重要だと考える理由はなんでしょうか?
現在、スタートアップにかかわらず、事業においてコンピューティングパワーを活用することは必須になっています。しかし、多くの企業が「法人としてコンピューターを使うとはどういうことか」「どんなスペックを持ったデバイスが必要なのか」「企業特有の機密データはどう扱わねばならないのか」ということを理解していません。
パソコンを買ってただ仕事するだけでは、法人として事業活動が立ち行かなくなる可能性があることを知らないのです。
まず事業を行うにはどんな知識やアクションが必要なのかを知ってもらうことにアプローチするのが、「ナレッジインジェクション」ですね。
「スペシャルオファー」は、本サービスの中核の1つですが、おもにスタートアップにおけるキャッシュフローの課題にアプローチしています。
創業間もない企業は利益がない、または赤字という場合もあります。そういった企業にとって、数十万、場合によっては百万を超えるキャッシュアウトでメンバーのパソコンをすべて購入することは非常にハードルが高いのです。
Lenovo for start-upsは、月額料金でパソコンを使用できることで、キャッシュアウトを抑えることができます。これは、パートタイムで稼動するメンバーが多いスタートアップ企業においても非常に有効です。
——パソコンのスペックに関する相談も可能なのでしょうか?
もちろんです。業務内容をお聞きして、それに応じた必要なスペックのデバイスを提供します。
たとえば、データ入力や資料作成が中心の場合、ハイスペックのパソコンを高額で支給する必要はありません。適切なデバイスを選択することで、コストも最適化できます。
3つ目の「セットアップサービス」は、パソコンを箱から出して電源を入れたらすぐに事業活動が開始できるよう、セットアップを済ませた状態でお渡しするサービスです。これは、スタートアップ企業のコーポレートITの脆弱さにアプローチしています。
実際に事業活動を始める前に、ドメインやセキュリティの設定など、本業にはかかわらない作業が多く発生するため、多くの創業者がすぐに本業にリソースを100%投下できないというのが現状です。
Lenovo for start-upsは初期設定がすべて完了している状態でお渡しするので、最初から貴重なリソースを本業に使うことができます。
セキュリティへの対応不足が成長を阻害する!?

——ハードウェアのレンタルやリースを行う事業は多くあると思いますが、そういった事業とLenovo for start-upsが異なる部分を教えてください。
違いは、大きく2つあると思っています。
1つ目が、サポートを含めたサブスクリプションサービスである、という点です。
サブスクリプションは、仕組みとして金融サービスに近いため、本来は収益に不安が大きく、与信が低いスタートアップ企業は本来利用しづらいサービスなのです。そういったサービスが使えない以上、大きな出費を背負ってパソコンを購入するという選択を取るしかなくなり、キャッシュフローに追われてしまうという悪循環になりかねません。
——レンタルなどの場合、キャッシュフローの課題は解決されないのでしょうか?
レンタルは長期的に利用する仕組みになっておらず、1週間や1カ月単位での貸し出しが多いため、結果的に高額になってしまいます。購入のほうがコストパフォーマンスがよい、という場合が多いのです。
また、レンタルや購入では、十分なサポートが受けられないケースもあります。
Lenovoでは、Lenovo for start-upsを単なるデバイスを貸し出すというハードウェアのサブスクリプションではなく、サポートも含めて「機能としてのデバイス」をサブスクリプションとして提供している、と考えています。
故障した場合の保守やデバイス紛失時のログ追跡など、サポートも含めて長期的に使っていただくことを想定しているため、価格を抑えることができているのです。
——2つ目のポイントはなんでしょうか?
2つ目は、セットアップの段階で、「法人としてのベーシックレベル」をクリアしたセキュリティ設定をサービスのなかで提供させていただくという点です。
これは、「事業を行うにおいて知っておくべきこと」をあまり知らない、という先の話に似た部分ですが、「最低限、セキュリティに抜け漏れがない状態」を自信を持って示すことができる企業は多くありません。Lenovo for start-upsでは、そういった企業におけるセキュリティの弱みを、最初の段階でカバーします。
もちろん、セキュリティはデバイス対応のみで完結するものではなく、“絶対的な安全”は存在しませんが、まずはデバイスなどのハードウェア面におけるセキュリティに不安がない状態を提供している、ということですね。
セキュリティ設定がしっかりなされていないことで生じるリスクは、日常における情報漏えいなどだけではありません。企業の成長期において、共同研究開発などの取引やIPOの可能性が発生した場合、セキュリティ設定を含むコーポレートITに大きくテコ入れが必要になってしまいます。場合によっては、大きな機会損失にもなりかねません。
日本のエコシステムに欠けているハードウェア分野

——Lenovo for start-upsは、各国で提供されているサービスなのでしょうか?
いえ、Lenovo for start-upsは日本だけのサービスですね。Lenovo Japan独自のサービスなので、海外展開はしていません。
——何か、日本においてハードウェアのサブスクリプションサービスが必要な事情があるのでしょうか?
Lenovo for start-upsはすべての国のスタートアップ企業にとって有益なサービスだと考えていますし、日本においてだけ必要なサービスであるとは考えていません。
ただ、日本にはスタートアップ支援を行うプロフェッショナルが少なく、コーポレートITやハードウェアについて知識を持ってアドバイスできる人物がかなり限られています。スタートアップ支援者が、支援を本業としている人材ではなく、自身も事業を行う傍らで支援を行っているため、支援が限定的になってしまうのです。
また投資家も、投資の目的が、「技術などを持っているスタートアップとのコネクション」であることが多いため、ハードウェアやセキュリティを含むコーポレートIT周辺の不十分さをあまり問題としないケースが見られます。
——海外ではどのような形態でスタートアップ支援が行われているのですか?
たとえば、アメリカでは「アクセラレーター」と呼ばれるスタートアップ支援のプロフェッショナルが企業に常駐して支援を行います。それぞれの得意分野に特化した集団であることが多いため、当然、ハードウェアを含むコーポレートITに関しての支援に長けている人物もいるのですよね。
投資家も、投資の目的を「企業の成長によるリターン」に置いているため、成長段階におけるコーポレートITの脆弱さがどのようなデメリットをもたらすか理解しています。投資家側にも、コーポレートIT支援のプロフェッショナルを連携する体制が整っているのです。
日本のスタートアップエコシステムにおいて支援が十分ではない部分に対して、Lenovoができることがハードウェアを通じたコーポレートIT周辺での機能やサポートの提供だった、ということが、まず日本においてLenovo for start-upsがスタートするに至ったロジックですね。
「日本の勝ち筋」を強固に信じてサポートする

——今後、海外へのサービス展開や、サービス内容の拡張の予定はありますか?
Lenovo for start-upsは立ち上げて間もないサービスですが、今後、台湾や韓国などへの展開もしていければと考えています。
また、より高いコンピューティングパワーを必要とする領域についても、サービス提供を広げていきたいですね。
CADを利用した設計や生成AIの利用など、高度な技術力や計算能力を必要とする分野では、GPUなどが高性能なハードウェアが求められます。
現状、Lenovo for Start-upsでのサブスクリプションではありませんが、GPUやCPUなどをカスタマイズしたハイエンドワークステーションを、スタートアップ向けに特別価格で提供させていただくというサービスは今後も拡大していきたいと考えています。
——最後に、Lenovoが、Lenovo for start-upsのハードウェア支援を通じて実現したいことを教えてください。
日本は他の国に比べて、プロダクトの提供付加価値が低いと考えています。これは、企業の平均営業利益率は欧州が11%、アメリカだと17%を超えるなか、日本は7〜8%と低迷していることからも見てとれます。
高い付加価値を持ったプロダクトやサービス、ひいては産業が登場する土壌になり得るのがスタートアップです。我々の支援が、日本のスタートアップエコシステムや新たな産業の創出につながっていけばとよいですね。
また、スタートアップを入り口としてこの取り組みを中小企業や研究機関などにも広げていければと思っています。
中小企業のなかには、ただ正しいコンピューティングパワーへのアクセスを知らないだけで、条件さえ整えばグローバルで通用するようなきらりと光るものを持った企業があるのです。そういった企業にハードウェアの側面からアプローチして、産業成長の後押しに貢献できればと考えています。
研究機関などに対するサポートはすでにスタートしており、大学の研究室や法人化前の任意団体もLenovo for start-upsの対象としています。
これは、なかなか目先の収益化は難しいものの、必ず伸びていくであろうディープテックなどの分野に対して、日本の勝ち筋を見出しているから、ということも理由の1つです。
世の中の難しい課題を解決するものはやはりテクノロジーです。日本は先端技術に関する論文の数や大学ランキングもまだまだ上位ですし、人口や高齢化など世界的な課題の面でも先をいっています。
あらゆる条件がそろっているなか、その勝率を上げていくためのアプローチですね。
スケールアップの可能性があるポイントに、くまなく提供していけるサービスに成長していきたいですし、これはグローバル視点を持ってハードウェア分野を磨いてきたLenovoだからこそできることだと感じています。
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「やりたいことに、集中できる」
そのシンプルな願いを、ハードウェアの側面から実現しようとしているのがLenovo for start-upsです。
新たなものを生み出そうとするスタートアップ企業に寄り添う姿勢には、ハードウェア企業ならではのものづくりの情熱が表れているようにも感じられます。
誰かのアイデアや技術が、ひとつでも多く形になるために。Lenovoの“伴走”は、これからの日本のスタートアップ企業にとって、心強い味方になっていきそうです。
※本稿はPR記事です。


