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結局TPPで農業ビジネスはどうなるのか? を考えるための4本

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 昨年11月、野田総理が「交渉参加に向け関係国との協議に入る」と宣言して以降、何かと話題に上ることが多いTPP。特に農業分野の関税撤廃については、「農業がダメになる」「いや、農業の国際競争力強化につながる」との賛否両論が聞こえる。今回、その議論のポイントを整理するとともに、農業"ビジネス"のあるべきモデルを探るための記事を紹介する。

TPP 農業の改革はどうした - 朝日新聞デジタル(4月22日)

 まず、TPPに関する日本の置かれた現状として、そもそもまだアメリカ、オーストラリアなど加盟予定国との、正式な交渉参加すら表明しておらず、今月30日に開かれる日米首脳会談での表明も見送られることとなった。いっぽう国内では、来るべき農業市場開放に備え農水省主導の下、大規模化を推進する農家への個別所得補償加算金を設定するなどの取り組みを行っているが、予算の3分の1しか消化できず、結局、零細農家へも補助金をバラまくという事態に。TPPへの参加交渉同様、国内の受け入れ態勢整備の面でも迷走が続く。

TPPってなに? 参加したらどんな問題があるの? - JA全中HP

 TPP反対の急先鋒が、農家などの農業関係者1000万人の組合員で組織されるJA(=農協)。TPPでは、除外・例外品目なく、全品目の関税を撤廃されるため、もし日本がTPPに参加すれば、関税撤廃による農林水産業への打撃により、地域経済・社会や国の食料自給率に大きな影響が及ぶという。結果として、一部の工業製品の輸出拡大による経済的メリットと引き換えに、安全・安心な国産の食べ物を口にすることができなくなり、地域経済の崩壊や失業者の増加など、取り返しのつかない事態を招くことになると警鐘を鳴らす、JA側の主張も見ておくべきだろう。

TPPで日本は世界一の農業大国になる - BLOGOS(4月19日)

 JAが訴えるような悲観論に対し、月刊「農業経営者」副編集長・浅川芳裕は「農家をなめてはいけない」と異を唱える。TPPで農業大国になると予想する大きな理由として、1960年代以降、日本の農業はGATT、WTO、FTAなど国際的な自由化の波にもまれつつも、農業の国際化を進め、農機や農薬、燃料の大部分を海外から調達し、実に300倍もの能率向上を達成した点を挙げる。同時に、高関税により世界標準の2〜3倍もの高い価格で原料を調達してきた食品業界が、その制約から解放されることで、食品マーケットの拡大→食品メーカーと提携する国内農家に対する需要拡大が見込めると指摘する。

大規模農家、着実に増加 かごしま農畜産業の未来(上) - 日経新聞Web刊(4月24日)

 農業を取り巻く環境は厳しいが、「もうかる一次産業」を目指し変革を挑み、成功している農家のモデル。思い切った大規模化により、物流費や材料費などの固定費率を徹底的に抑え、コスト削減効果を発揮。そして、「もっとも売れる時期に、収穫量が最大になるよう生産・作業スケジュールを細かく管理する」などという独自の科学的な手法を次々と採用。こうした取り組みによって、大量かつ安定供給を実現することが、大手スーパーやニチレイ、伊藤園などの大企業との提携につながり、さらなる競争力強化が生まれるという、ひとつのモデルケースである。