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SBI VCトレードのステーブルコイン取引認可と日本社会への影響

2025.03.14 2025.03.14 21:07 企業

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 SBI VCトレードは、日本で初めて規制に基づくステーブルコイン取り扱いの承認を得た企業となった。この承認により、同社は2025年3月12日から米国のサークル社が発行するUSDC(USDコイン)の取引を開始する。ただし最初はベータ版としてグループ内の限られた顧客に提供され、サービス開始後は個人や法人向けにもUSDCの売買や入金・出金サービスを提供する予定となっている。

 USDCは米ドルに連動しており、SBI VCトレードは顧客が預けたUSDCに相当する額の米ドルを確保する必要がある。また、信託業務はSBIグループの新生信託銀行が担当することとなる。CEOの近藤智彦氏によれば、取引プラットフォームには「USDC」の表示がされ、BTC/USDCやETH/USDCなどの取引ペアで取引可能になるとのこと。レバレッジ取引にも対応予定で、将来的には仮想通貨上場予定一覧にあるような、さらにボラティリティが高い銘柄の取引にも対応することが期待される。

 ちなみに、SBI VCトレードは仮想通貨取引所業務、金融商品取引業務第一種業務、電子決済業務の3つの運営ライセンスを保有する日本国内で唯一の企業ということになる。また、日本の金融庁は2024年2月、安定したステーブルコインを発行するために短期国債や定期預金を担保にする改革案を承認した。この改革により、ステーブルコインの担保に使用できるのは、預金や債券で最大50%に制限されることになる。

 では、このニュースが今後の日本での仮想通貨業界にどのような影響を及ぼすのかを検証してみよう。

日本の仮想通貨市場の活性化

 これまで日本ではステーブルコインの規制が厳しく、国内取引所での取引は制限されていた。しかしSBI VCトレードの認可によって、国内投資家が円建てのステーブルコインを利用しやすくなる。この変化により仮想通貨の市場全体が活性化し、新たな投資家の参入が促されることが期待される。従来、仮想通貨は価格変動が激しいことから投資に対するリスクを懸念する個人投資家も多かったものの、ステーブルコインの導入によって価値の安定性が確保され、リスクを低減しながらの取引が可能となる。

 また、ステーブルコインの流通が拡大することで、国内の決済インフラの利便性も向上することだろう。例えば、仮想通貨取引所を利用する際、法定通貨から直接ビットコインやイーサリアムなどのボラティリティの高い資産に変換するのではなく、一度ステーブルコインを介して取引することで、価格変動のリスクを抑えつつ、スムーズな取引が可能となる。このような利点から、ステーブルコインの普及は日本の仮想通貨市場全体の流動性向上に寄与するものと考えられる。

日本の金融機関とブロックチェーン技術の発展

 SBI VCトレードがステーブルコイン取引の認可を受けたことで、日本国内の金融機関がブロックチェーン技術の活用に向けた動きを加速させる可能性も高まっている。これまで日本の銀行や証券会社は仮想通貨の取引に対して慎重な姿勢を取っていたが、SBIグループのような大手金融企業が先陣を切ることで、他の金融機関も追随する流れが生まれることだろう。

 特に銀行業務における国際送金の分野では、ステーブルコインを活用することで従来のSWIFTネットワークを利用するよりも迅速かつ低コストでの送金が可能となる。企業間取引(B2B)や個人間送金(P2P)においても、ステーブルコインを利用することで即時決済が可能になり、決済手数料の削減や処理時間の短縮が期待される。このような利便性の向上により、企業の資金繰りが改善され、ビジネスの効率化が進むことが予想される。

 さらに、日本銀行が進める中央銀行デジタル通貨(CBDC)との相乗効果も見込まれている。CBDCとステーブルコインが共存する形で導入されることで、デジタル通貨の実用性が一層高まり、日本の金融エコシステム全体のデジタル化が促進されることが期待される。

日本の仮想通貨規制の転換点

 SBI VCトレードの認可は、日本の仮想通貨規制において重要な転換点となる可能性がある。これまで、日本ではステーブルコインに関する明確な規制が存在せず、海外の取引所では広く利用されているものの、日本国内では取引が制限されていた。しかし、今回の認可を機に、金融庁をはじめとする規制当局がステーブルコインの法的枠組みを整備し、他の取引所や金融機関にも同様の認可が広がることが期待される。

 また、ステーブルコインの取引が合法化されることで、海外企業の日本市場への参入も促進されるだろう。これにより、日本の仮想通貨業界が国際市場とより緊密に連携し、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性に期待が高まる。さらに、マネーロンダリング対策や投資家保護のための新たな規制が策定されることで、より安全な取引環境が構築されることが望まれる。

 加えて、税制の見直しも重要な課題となる。現在、日本における仮想通貨の税制は厳しく、投資家にとってはハードルが高い状況が続いている。しかしステーブルコインの普及に伴い、税制の整備が進めば、より多くの投資家が参入しやすい環境が整う可能性がある。

日本経済への影響

 ステーブルコインの普及は、日本経済全体にも広範な影響を及ぼすと考えられる。デジタル決済の発展によりキャッシュレス化が一層進み、消費者の利便性が向上することが予想される。特にインターネットショッピングやサブスクリプションサービスにおいて、ステーブルコインを利用した決済が導入されれば、決済処理の効率化とコスト削減が実現することだろう。

 また、国際送金のコスト削減も日本経済にとって重要なメリットとなる。特に日本国内に在住する外国人労働者が母国への送金を行う際、現在は高額な国際送金手数料がかかるが、ステーブルコインを活用することで、より安価で迅速な送金が可能となる。これにより、日本で働く外国人の生活の質が向上し、日本国内での経済活動がさらに活発化することが見込まれる。

 さらに、観光業への影響も大きいと考えられる。外国人観光客が日本国内でステーブルコインを利用することで、日本円に両替する手間が省け、決済がスムーズに行えるようになる。これにより訪日外国人の利便性が向上し、政府が掲げる日本のインバウンド戦略に貢献する可能性も考えられる。

今後の長期的な展望

 SBI VCトレードのステーブルコイン取引認可は、日本の仮想通貨業界にとって極めて重要な意味を持つと言えるだろう。市場の活性化、金融機関との連携強化、規制の明確化、日本経済全体への影響など、多岐にわたる変化が期待されるからだ。今後の政策動向や市場の反応を注視しながら、ステーブルコインが日本の金融エコシステムにどのように組み込まれていくのかが、業界の発展において大きな鍵となることだろう。

※本稿はPR記事です

BusinessJournal編集部

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