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松江哲明の経済ドキュメンタリー・サブカル・ウォッチ!【第5夜】

俳優・松坂桃季の邪魔をする「情熱大陸」のベタな演出にうんざり!

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24歳…さわやかな笑顔…。
(「情熱大陸HP」より)

――『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』(共にテレビ東京)『情熱大陸』(TBS)などの経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビュー!

今回の番組:10月28日放送『情熱大陸』(テーマ:俳優・松坂桃季)

「またこんな演出やってる!」と憤った。

 最近の『情熱大陸』で役者が登場する回は「撮影中でも密着」が当然だ。芝居のリハーサル中でもキャメラは回る。そして本番も。涙を流したり、感情を吐き出すシーンでも『情熱大陸』は容赦しない。なんと芝居をする目線の先でキャメラは待っている。視聴者には「普通」のアングルかもしれないが、役者にとってはたまったものじゃない。

 僕も以前、劇映画のメイキングを撮影していた時に役者の視線の先で構えてしまい、本番の演技を台無しにしてしまったことがある。ただ、確かに役者の違う顔が記録できることはできる。そんな表情を引き出したい気持ちも分からないはない。

 だが、最近の『情熱大陸』でそんな演出がお約束になっている。

 以前も新垣結衣さん、前田敦子さんの回では「ちょっとどいて下さい」といった言葉を彼女たちが発するまで粘っていた。視聴者はそんなタレントの姿を批判したが、僕は全く逆だ。「本番」の邪魔をしなければ撮れないようなことを狙うべきではないし、第一撮影現場のほかのスタッフ、キャストにも迷惑がかかる。今回も芝居に集中する役者に対し、ナレーションでは「それでも粘る」「礼儀正しく追い出された…」としつこく撮影していた。

 僕が憤りを抑え切れなかったのは今回の取材者、松坂桃李に好感を持ってしまったからかもしれない。

「今年大ブレイク! 若手No.1」と画面の左上にテロップが出されていた彼は、ファンはもちろん、取材者からも現場のスタッフからも好かれている。

「自分(ほど)の実力で、このステージに立っているのはおかしいんじゃないのか」と語れば、皆「謙虚だねぇ」「いい人だ」と口をそろえる。テレビのスタッフにラーメンをおごられれば缶ビールでお返しし、自宅に招く。

『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』


せめて知識だけでも追いつきたい。

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