していたのが映画『パッチギ』。どんな映画やねん!
(「週刊SPA!」<扶桑社/5月15日号>より)
恋愛カウンセラーで、『彼に「愛している」と言わせるSEX』(扶桑社)などの著書を持つケータイ作家・吉原杏が、多くのビジネスパーソンが口には出せないが抱えている、恋愛や性の悩みを解決する。
冨永愛(モデル)と園山真希絵(料理研究家)との二股交際が発覚し、メディアを騒がせているのが塩谷瞬(俳優)だ。
マスコミ報道によると、塩谷は冨永と園山の両方に対して、ほぼ同時期に結婚の約束をしていたことが発覚。5月1日、塩谷はマスコミ各社にコメントを送り、同日、自らマスコミの前に登場し、2度にわたって会見をした。ふたりの女を振り回した男の悲劇として語られている。
冨永は9歳の子どもを抱える29歳のシングルマザー。一方、園山は34歳の独身である。このふたりを有名人ではなく、たんなる女性として考えてみると、一方的に塩谷だけが悪いとはいえないように、恋愛カウンセラー兼占い師の私には思えてならない。
なぜなら、あくまでも
9歳の子ども付きの29歳女性 vs. 34歳独身女性
として考えた場合、29歳の男性から見れば、真剣に結婚を考えるというよりも、友だちか遊び止まりの相手ではないかと思えるからだ。
私自身の体験から考えても、1歳の息子を抱えたシングルマザーに対して、真面目に愛を注いでくれた男性はひとりもいなかった。例えば、結婚前から友人関係にあった5歳年上の男性の場合は、私が離婚後「心配だから」とアパートに頻繁に来るようになり、私の手料理を「おいしいなぁ」と満面の笑顔で食べ、「キス以上セックス未満の関係」にまで発展し「再婚」の二文字を思い浮かべたりもした。が、「俺、独身主義だし、子どもがいるのはキツイよ……」と逃げ腰。そのまま友人関係を続けていたが、ある日突然「オレ、ほかのオンナと結婚するから」とピリオド宣言。私のひとり芝居だったことに気づくことになる。その後、「キミと性的な関係を持ちたいし、子どもの父親にもなりたい」という奇特な男には出逢わなかった。
やはり子持ちバツイチ女は結婚できない!?
もちろん、子ども付きシングルマザーを好む男性もいるが、かなりの高齢か、あるいは子種がないか、(滅多にいないが)かなりの資産を持つ博愛精神主義者だろう。それ以外は、男性にも養育中の子どもがいる場合ではないか、と考えられる。これは、男女をそっくり逆にしたケースでも同様であろう。
私の場合、最初の結婚相手は、離婚した前妻との息子を年間のうち1カ月間(夏休み中)預かることになっていた。結果的には、この息子が私たち夫婦の離婚原因になった。
預かっていた子どもの年齢は12歳の思春期。さらにその時、子どもの母親=夫の先妻は別の男性と再婚をしていたが、離婚調停中だった。至極当然だが、大半の子どもは実の両親に養育されることを望むため、私と夫の仲を裂くことに必死! その結果、ふたりは不仲に追い込まれていく。
2度目の結婚で、少し年上の当時M党の政策立案を担当していた男性と再婚。口では「お前の子どもだから大切にするよ」と言いながらも、子どもがいると自由にセックスができないと、あからさまに子どもを邪魔者扱いにする現実に直面した。
結論。子どもはほかの男性とセックスした証拠品であるため、よほどデキた人間でなければ、幼児を抱えるシングルマザーと結婚を考えることなど、ほぼ”ない”。
塩谷二股騒動でいえば、34歳の女性(園山)にとって、29歳の男性(塩谷)は非常にカワイイ存在かもしれないが、逆に29歳の男性にとっては、出産適齢期崖っぷちに追い込まれた女性との結婚は、子どもを望むのであればリスクが高いと思える。実際、5~10歳年下の男性と付き合っている、30歳過ぎの女性から受ける恋愛相談の多くは、「出産適齢期の関係もあるので、どうやって相手に結婚のアプローチをさせるか?」というものだ。
加えて、恋愛における男性と女性の精神年齢は、女性の場合は実年齢プラス10歳、男性の場合は実年齢マイナス10歳。精神年齢上44歳と19歳の恋愛と考えれば、恋人ではなく、もはや母と息子の関係だ。
実家を使ってまで結婚を迫るオンナ
ある男性から受けた相談の話である。昔若い男に走り自分を振った、出産適齢期を上回りつつも独身の元カノから、「荷物を運びたいから、実家まで運転してほしいの」と頼まれ、実家に着くや「両親が結婚しろとウザいから、婚約者のフリをして」と言われ、一度だけならと演技をしたら最後。その後、
「今日はお父さんの誕生日なの」
「お母さんが会いたがっているわ」
と3カ月に1度のペースで実家訪問するはめになったという。もちろんその間、男性と元カノの間には性的な関係もなく、男性が彼女のマンションを訪ねることもなかった。ある日男性が「親しい女性ができたから」と彼女に告げたところ、彼女と母親から「もう2度と顔も見みたくない! 婚約破棄で訴えてやるから!」と罵声を浴びせられたとのことだ……。
そんな相談を何度か受けたことがある私にとって、今回の二股騒動の本質は、
「夢見る女の思い込みと、男の曖昧さが生んだ茶番劇のひとつ」
ではなかろうかと思える。
要は、男と女がふたりきりになり、SEXの最中に女から「ねぇ、お願い、ずっと一緒いたいの……一緒に生きてくれる?」と男が聞かれた。挿入中に腰を動かしながら、「いや……俺はお前のカラダは好きだけど、そういうつもりはない」と、はっきり拒めるかどうか考えてもらいたい。多くの男性は、たとえ相手が風俗嬢でも「うっ、いっ、いいよ」と答えてしまうだろう。その言葉を女は鵜呑みにして、指輪を欲しがり、男は指輪を”ただの”プレゼントとして買い与える。で、女は男が婚約してくれたものと信じるが運の尽きというわけだ。
あなたも、恋愛で人生を踏み外さないために、今回の二股騒動を教訓にしてみてはいかがだろうか。
(文=吉原杏/恋愛カウンセラー ケータイ作家)