“惨敗確実”民主党を救う、“美人刺客”議員は誰だ?
今週(11月21日)発売された「週刊新潮」(新潮社)、「週刊文春」(文藝春秋)から、忙しいビジネスパーソンも要チェックの記事を早読み。今回は、両誌が激しいツッコミを入れる、「総選挙を控えた民主党の凋落ぶり」をチェックします。
今週は、当然といえば当然だが、新潮、文春両誌とも来月16日に行われる総選挙について特集している。
今年8月から「近いうちに国民の信を問う」と言い続けてきた野田首相。しかしなかなか解散には至らず、野党からは「嘘つき」批判が噴出。ホラ吹き扱いに耐えられない“誇り高き”野田首相は、「ならば」と解散を決断したというのが両誌の見立てだ。ただし、世間では早くも、「総選挙では民主党の惨敗」という空気が醸成されており、自民党の安倍晋三総裁に至っては、早くも総理大臣気取りだという声もある。
そんな中、新潮によれば、野田首相は「現実問題、120議席を取るのが目標だ」と、党首討論直後に本心を漏らしていたそうだ。さすが総理! 客観的に状況を見る目を持ってらっしゃると思いきや、それもかなり“盛っている”数字のよう。文春の「総選挙 当落予想」によれば、民主党の議席は小選挙区で現在の173議席から59議席、比例区では現在の57議席から27議席と激減。合計で現在の230議席から86議席となると予測している。
ちなみに「週刊朝日」(朝日新聞出版)では、政治評論家の森田実氏、選挙プランナーの三浦博史氏、政治ジャーナリストの野上忠興氏がそれぞれ民主党の議席を75議席、92議席、70議席と予想。また、2009年の衆議院選で自民党の議席数を見事に的中させた、集合知により選挙や投資を予測するサイト「shuugi.in」では、11月21日現在、民主党を110議席と予想している。いずれにせよ野田首相の120議席との目標からは遠く、新潮では「野田総理は民主党消滅という重たすぎる十字架を背負いかねない」と結んでいる。
■あの「昼メロ」議員も刺客に
また、新潮によれば、10回連続当選している民主党・菅直人前総理の再選も危ういという。菅氏は東京18区を地盤としているが、同選挙区には自民党の土屋正忠元代議士がおり、去年行われた前々回の自民党の世論調査では、土屋氏がわずかにリード。前回は菅氏が4ポイントリードし拮抗しているというのだ。
こうした逆風に対し、民主党は「美人刺客大作戦」を行うという(新潮)。元小沢ガールズで、民主党の初鹿議員が離党届を出す際に涙目で「行かないで」と立ちふさがり、まるで「昼メロ」と揶揄された田中美絵子議員が東京15区にくら替えし、国民の生活が第一の東祥三幹事長の刺客になるというのである。
また、京都1区では、フリーアナウンサーや長岡京市議を務め、「美人すぎる議員」として知られる祐野恵氏が立候補するという。他にも青森1区では明治大学在学中に「ミス東京」に選出され、その後、青森朝日放送のアナウンサーを務めていた波多野里奈氏、千葉3区の青山明日香氏、埼玉7区の島田智哉子氏、秋田3区の三井マリ子氏と女性候補が多いという。
女性刺客候補に対し、政治部デスクの「主婦などの女性票を狙ってのことでしょう。ただ、もはや女性候補は珍しくなく、政策をしっかり語ることができなければ当選は難しいでしょう」という声を紹介している。本当に彼女たちが「美人」刺客かどうかは、自身で検索してみよう。
TPPに消費税増税、脱原発、金融政策等々の政策問題だけでなく、維新の会と太陽の党の合流、新党の乱立などめまぐるしく動く政局だが、民主党はこの波に飲まれ、事実上消滅してしまうのか。それとも、政策的に近い民主党と自民党が連携する可能性もゼロではないという某解説委員の声のように、ウルトラCが起こるのか。目が離せない。