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続2013年経済界トップ人事を展望する

経済財政諮問会議に東芝&三菱ケミ社長が就任で原発推進が加速

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ちゃんと原発視察にも行くの?
(「Thinkstock」より。)
 安倍晋三首相はマクロ経済政策の司令塔となる経済財政諮問会議の民間議員4人のうち、企業経営者として東芝の佐々木則夫社長(63)と三菱ケミカルホールディングス(HD)の社長(66)の2人を起用した。原発推進シフト、もっというなら東京電力救済を鮮明にした人事である。

 なぜかというと、東芝の佐々木氏は入社早々、東京電力福島第1原発の配管を担当した。原子力技師長、原子力事業本部長を歴任するなど原子力事業一筋。06年に米原子力発電設備建設の大手、ウエスチングハウスの買収で中心的な役割を果たし、その手腕が高く評価され09年6月に社長に就任した。

 三菱ケミカルHDの小林氏は、実質国有化された東京電力の社外取締役を務め、「いかにして原発を再稼動するか」と語る、バリバリの原発推進派だ。

 佐々木、小林の両氏は経済財政諮問会議の民間議員に就任したことで、両社の第一線から退く公算が出てきた。

 佐々木氏の後任は、原発を含む社会インフラ事業担当の北村秀夫副社長(60)が大本命といわれてきた。慶應義塾大学経済学部卒。執行役常務、電力流通・産業システム社の社長を経て09年6月執行役専務(社会インフラ事業グループ分担)。11年6月取締役兼代表執行役副社長に昇格。次期社長の最短距離にあった。

 だが、11年3月の東電福島第1原発の事故で雲行きがあやしくなった。事故直前、佐々木社長は「2016年3月期までに原発を39基受注し、原子力関連の年間売上高を1兆円にする」と豪語していたが、東電の原発事故で達成は難しくなった。東芝のドル箱のはずの原発事業が揺らぎ、この事業の責任者である北村副社長の社長昇格に疑問符がついた。

 新たに東芝の次期社長候補として浮上してきたのが、原発と並ぶ2本柱の半導体事業を総括する小林清志専務(57)だ。東北大学大学院理学研究科卒。だが、半導体は浮き沈みが激しいため、東芝でこれまで半導体畑の役員が社長になったことはない。原発一筋の佐々木社長が「大の半導体嫌い」(東芝の有力役員OB)という点もネックとなる。

 佐々木社長が財界活動に軸足を移すために会長に就くと、西田厚聰・現会長をどう処遇するかという難しい問題が発生する。「次期経団連会長の最短距離にある」(財界首脳)といわれる西田氏を相談役にするというわけにはいかないだろう。さりとて、佐々木氏が副会長という中2階のポストに就くわけにもいかない。ないない尽くしだから佐々木氏は社長続投という観測が根強くあるのだ。

 三菱ケミカルHDの小林社長は07年に就任以来6年を迎える。三菱ケミカルは05年に三菱化学と三菱ウェルファーマが共同持ち株会社方式で統合。現在は持ち株会社の傘下に三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂、田辺三菱製薬がぶら下がる組織形態になっている。

 小林氏はHDと中核の三菱化学の社長を兼任してきたが、12年4月からHDの社長に専念。三菱化学の社長の椅子を生え抜きの石塚博昭氏(62)に譲った。東京大学理学部化学科卒業。小林氏がHD会長として財界活動に専念し、石塚氏がHDと三菱化学の社長を兼務するという案が出ている。

 自動車業界の関心事は、三菱自動車の益子修社長(63)の去就だ。益子氏は三菱商事出身。リコール事件が泥沼化して、ダイムラー・クライスラーが経営から手を引き経営危機に陥ったため、三菱グループの御三家が支援に乗り出した。三菱重工業、三菱UFJフィナンシャル・グループ(三菱東京UFJ銀行)、三菱商事が御三家である。三菱商事出身の益子氏は05年に社長に就任し、経営再建を託された。重荷だったオランダ工場の閉鎖やタイ工場の増強など業績改善に手を打った。再建のメドをつけたとして13年にも勇退するとみられていた。

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醤油だけにしょっぱい人事。

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