日本のネット通販企業では楽天が最大手で、仮想商店街「楽天市場」や旅行予約「楽天トラベル」などネットサービス分野の12年12月期の売上高は2858億円。同社の売上高は、通販モールに出店した小売店などから得る手数料が中心であるため、主に自社で商品を仕入れて販売するアマゾンとはビジネスモデルが異なる。
楽天市場の12年12月期の流通総額は1兆3000億円程度。アマゾンの流通総額は非公開だが、通販モール事業「マーケットプレイス」なども合算すると、流通総額で楽天に匹敵する可能性もあるという。2000年に日本に進出したアマゾンは、書籍や家電製品、衣料品など5000万品以上を取り扱っている。
12年度の国内ネット通販市場は、前年度比15.9%増の約10兆2000億円となる見通しで(野村総合研究所調べ)、2桁成長が続くが、価格やサービス面での競争が激化している。そうした中、アマゾンは当日配送や顧客の購買データを基にお薦め商品を紹介する「レコメンド」機能などを武器に、同市場で存在感を高めている。
昨年7月に都内で開かれた国際電子出版EXPOで、講談社の野間省伸社長は、「楽天の三木谷浩史社長に、『打倒アマゾン』とプリントされたTシャツをもらった」と暴露し、話題となった。三木谷社長は社員に対し、「アマゾンの動向を注視せよ」と呼びかけているという。両社の攻防に注目が集まっている。
(文=編集部)