NEW

イオン、見えない子会社ダイエー再建の道筋~広がるセブンとの差、異業態との競争激化…

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

イオングループ本社ビル
「Wikipedia」より/掬茶)
 イオンの子会社となったダイエーは、2014年2月期連結決算の業績予想を下方修正した。本業の儲けを示す営業損益を当初予想の10億円の黒字から60億円の赤字(前期は26億円の赤字)へ70億円引き下げた。営業赤字は2期連続である。売上高に当たる営業収益は当初予想の8180億円を据え置いたが、最終損益は公表していない。

 13年3~11月期の連結決算の営業収益は前年同期比2%減の6078億円、営業損益は79億円の赤字、最終損益も191億円の赤字だった。天候不順の影響で利益率の高い秋冬物の衣料品の売れ行きが悪く、値下げを余儀なくされて利幅が縮小した。

 ダイエー不振の理由は、本業のスーパーの不振にほかならない。創業者である中内功氏が1999年に会長を退いてから、今年で15年。この間、社長は現在の村井正平氏(イオン出身)を含めて7人に及ぶ。平均在任期間は2年少しということになる。抜本的な対策が取れないまま、トップが次々と入れ替わった。

 ダイエーは中内時代にコンビニエンスストアのローソンを三菱商事に売却。04年にホテル、ドーム球場など福岡の3点セットとプロ野球球団・ダイエーホークスを手放した。さらに08年にはOMCカードを三井住友銀行に売却したことで、借金は減ったが利益の柱であったOMCカードを失い、ダイエーに残ったのは不振のスーパー事業だけとなり、以降、ダイエーの赤字は常態化した。この間、スポンサーとなった丸紅の傘下でリストラを進めたが、成果は上がらなかった。

 そして、流通大手のイオンは13年8月、株式の公開買い付けでダイエー株式を44%まで買い増し、9月から連結対象企業に組み込み、ダイエー再建を主導してきた。

●イオンの収益を圧迫するダイエーの赤字

 イオンの13年3~11月期決算では、子会社化したダイエーの赤字が重くのしかかり、最終利益は前年同期比46.8%減の199億円とほぼ半減した。売上高に当たる営業収益は同11.8%増の4兆6211億円と3年連続で過去最高を更新したが、営業利益は同4.1%減の948億円と減益だった。

原因は本業のスーパーが伸び悩んだため。GMS(総合スーパー)の営業利益は65億円(前年同期比横ばい)、SM(食品スーパー)は37億円(同67%減)と振るわなかった。

 GMS部門では子会社としたダイエーや、衣料品が不振だったイオン九州の営業損失が響いた。SMはコンビニやドラッグストアなどとの競争が激化したのに加え、12年4月にJ.フロントリテイリングから買収したイオンマーケット(旧ピーコックストア)の不振が業績の足を引っ張った。ディベロッパー事業と総合金融業は過去最高の営業利益となったが、スーパーの販売不振をカバーしきれなかった。

 14年2月期の連結業績は、営業収益が同5.5%増の6兆円、営業利益が2000~2100億円(4.9~10.2%増)、最終利益は750億円と横ばいを見込んでいる。

●鮮明になるセブン&アイとの明暗

 ライバルのセブン&アイ・ホールディングスは、傘下のコンビニのセブン-イレブン・ジャパンが絶好調。3~11月期の最終利益は32.0%増の1280億円。利益が半減したイオンとの格差は6.4倍に広がった。セブン&アイは通期の最終利益を1700億円と予想しており、イオン(750億円)に大きく差をつける。コンビニが主力のセブンと、スーパーが主力のイオンの収益力の差は一段と鮮明になった。