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フジテレビ、上層部と某有力芸能事務所のズブズブの関係が、視聴率低迷の元凶?

構成=編集部
フジテレビ、上層部と某有力芸能事務所のズブズブの関係が、視聴率低迷の元凶?の画像1長谷川豊氏

 フジテレビの視聴率低迷が著しい。2011年度年間視聴率ランキングで、トップの座を8年ぶりに日本テレビに奪われ、12~13年度は3位に転落、月別平均視聴率で4位になる月も出るなど苦戦している。その理由について、「大手芸能事務所ありきの番組づくりを制作現場に強いる上層部に問題がある」と指摘するのが、元フジテレビアナウンサーで現在フリーの長谷川豊氏である。今回は5月に『テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書』(サイゾー)を上梓した長谷川氏に、

「フジ低迷の理由と背景」
「番組をつまらなくさせる元凶である、フジ上層部と芸能事務所のズブズブの関係」
「日本テレビとTOKYO MXが好調な理由」

などについて話を聞いた。

–ここ1~2年、長谷川さんの古巣であるフジの視聴率低迷が叫ばれていますが、原因はなんだと思いますか?

フジテレビ、上層部と某有力芸能事務所のズブズブの関係が、視聴率低迷の元凶?の画像2『テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書』(長谷川豊/サイゾー)

長谷川豊氏(以下、長谷川) ここははっきりと言わせていただきますが、フジの上層部が腐りきっているのが一番の理由です。現在の局長クラス以上の全上層部が入れ替わらないと、フジは復活できないと思います。

–腐りきっているというのは、具体的にどういう意味でしょうか?

長谷川 芸能事務所から素敵な接待を受けて、その事務所の利権のために動く人間が多すぎるという点です。残念なことですが、そこに視聴者への思いやりはない。気が付いたら、帯番組の司会者もこの事務所のタレントで、フジの代名詞でもある“月9ドラマ”(毎週月曜夜9時放送の連続ドラマ)の女優まで、みんな同じ事務所なの? ということになってしまう。

番組づくりが、まずは芸能事務所ありきで、それで出演者の人選が全部決まってしまう。制作現場は上から押し付けられるタレントを使うしかないので、不満がたまっていくという悪循環が続いています。

–そういう傾向は、いつ頃から顕著になってきたのでしょうか?

長谷川 う~ん……特にここから、というのはわかりませんが、それが度を越したのが、韓流モノを扱った番組が増えたことに一部から批判が集まった韓流騒動でした。その背景には、韓流コンテンツの版権を取ったある芸能事務所がフジの上層部に懸命の営業活動をし、その事務所はそもそも人気の高いアーティストや俳優を数多く抱えていたので、彼らに出演してもらうために韓流枠をつくっていったのが原因と聞いています。

 そのような感じで芸能事務所と関係の深い人たちが人事異動で決定権を持つ上のポストに就くようになっていき、懇意にする事務所のタレントの起用を現場に押しつけるようになった。すごく根深い問題で、どうしようもないレベルです。

–なぜ、芸能事務所が食い込めたフジの社員は、出世することができるのでしょうか?

長谷川 これはあまり知られていないのですが、事務所が自分たちを応援してくれている人物を、フジの上層部に売り込むのです。今、大手事務所のトップにいる人は、若い頃からテレビ局の経営者と一緒に徐々に階段を上がってきた人たちなので、ゴルフや食事に行ったりと個人的にも親交が深い。そこで事務所のトップが「彼はいいよ、彼は素晴らしいよ」と吹き込んで、局内で出世させるというふうに聞いています。これは残念ながらテレビ局に始まったことではなく、日本的な多くの企業で同じような現象が起こっているとも聞いています。一つ言えることは、そこには視聴者(客)はまったく存在していない、という点です。

日本テレビとMXが好調の理由

–そんなフジを尻目に、日本テレビの視聴率が好調ですが、理由はなんでしょうか?

長谷川 一言で言うと、日本テレビを傘下に置く読売グループの渡邉恒雄会長の影響力が大きいので、外部からの雑音をはねのけられるからだと分析しています。そのため、まずテレビ局の主導で番組制作を始められる。

 例えば人気番組『世界の果てまでイッテQ!』の「珍獣ハンター」という企画をつくろう、と考える。日本テレビはそこでまず、全事務所に平等に声をかけ、オーディションを開催する。フジのように勝手に上層部が出演者を決め、現場に押し付けたりはしません。「動物をハントするんだから運動神経が要るよね」と、各事務所からオーディションをやって、当時は誰も知らないような無名のイモトアヤコを起用する。顔が地味すぎるので眉毛を太くして印象付けるという演出を加え、あとは制作陣の天才的なナレーションと彼女のがんばりによって、どんどん面白コンテンツをつくることができるようになる。

 視聴者はテレビを見ているだけでなく、イモトアヤコという芸人さんの成長していく過程まで目にすることができる。これらはすべて「日テレ主導」、言い換えれば「現場主導」で可能となった成功といえます。

 昨年、年間平均視聴率トップだったテレビ朝日が今年に入り崩れてますが、実は今、テレ朝ではフジと同じことが起こりつつあります。ユニークな番組づくりで視聴率が上昇傾向のテレ東も、芸能事務所に食われようとしています。そもそも「芸能事務所が儲かる」「儲からない」というのは視聴者にとってはなんの関係もないことです。

 なぜ、サッカーFIFAワールドカップのメインキャスターを芸能事務所から売り込まれた芸能人が務めないといけないのでしょう? 喜んでいるのは芸能事務所と、その事務所からステキな接待を受けているテレビ局の一部上層部だけです。今の利権におぼれたテレビ局の上層部は、『イッテQ』の成功理由や、4年ごとに行われるオリンピックの舞台において、地味なアナウンサーが司会を務め続けても高い評価を得続けているNHKの好調ぶりをしっかりと学ぶべきです。

 …こんなことを言ってますけど、もし私がテレビ局の上層部にまで出世で上りつめていたら、同じように利権におぼれているかもしれないですけどね(笑)。それくらい「キー局の一部上層部」に集まる権利とお金は大したものですから。

–ユニークな番組づくりといえば、長谷川さんが現在、レギュラー出演している『バラいろダンディ』のTOKYO MXも好調のようですね。

長谷川 MXは現在、大変なことになっています。とにかく、事務所はまったくかんでいないし、上層部も現場に口を出してこないので、若手がつくりたい放題つくっている。業績はテレビ東京さんどころじゃない好調ぶりで、このご時世、3期連続で過去最高益を更新中です。こんなテレビ局は全国どこを探してもない。『進撃の巨人』や『5時に夢中!』といった人気コンテンツに僕がMCを務める『バラいろダンディ』も早く加わっていきたいですね!

–ありがとうございました。
(構成=編集部)

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