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地銀、仁義なき再編勃発で半減か 金融庁の異常な圧力、“外された”横浜銀が口火切る

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横浜銀行本店ビル(「Wikipedia」より/Kakidai)
 金融庁の畑中龍太郎長官(当時)は昨年1月15日に全国地方銀行協会、翌16日には第二地方銀行協会に出席。居並ぶ銀行トップに向かって「業務提携、経営統合を経営課題として考えていただきたい」と異例の発言をした。金融業界関係者の間では「今年は答えを出す年にしてほしい」と強い口調で迫ったと伝わっている。昨年7月に長官を退任した畑中氏が仕掛け、同年10月に就任した後任の細溝清史氏がダメ押しの口先介入をしたことで、地銀再編にようやく道筋がついた。地銀トップは今年、その本気度が試されることになった。

 関東地区の地銀再編の先鞭をつけるのは、地銀首位の横浜銀行(横浜市)とみられていたが、その横浜銀は第2地銀の東日本銀行(東京都)と2016年4月に経営統合することで合意。横浜銀が口火を切るかたちで、関東で「玉突き」再編が始まった。

 北関東を地盤とする地銀の筑波銀行(茨城県土浦市)と第2地銀の栃木銀行(栃木県宇都宮市)、東和銀行(群馬県前橋市)の3行は県境を越えて、地場産業の育成や雇用創出など地域経済活性化で包括的に連携する。関東は経済規模が大きく、他の地方に比べて人口減少も緩やかなため、地銀の経営は比較的安定している。だが、メガバンクなど大手行に加え、16の地銀・第2地銀が1都6県で競い合う激戦区だ。競争は激しさを増しており、先行きの経営は楽観できない。

 常陽銀行(茨城県水戸市)や足利銀行(宇都宮市)、群馬銀行(群馬県前橋市)など営業地域が重なる上位地銀が合従連衡に動けば、経営規模の小さい筑波、栃木、東和の3行はひとたまりもない。そのため、北関東一帯を広くカバーする営業体制を構築し、常陽、足利、群馬など北関東の有力地銀に対抗する。先手必勝とばかりに動いたわけだ。金融庁は業務提携を経営統合に向けての第一歩と位置づけ、業務提携で地ならしをして統合に進むという2段階方式の再編を想定している。

●仕掛けた横浜銀


 畑中氏が「打つべき手を先送りしないでほしい」と圧力をかけたのは、実は地銀上位行に対してだった。これを受けて、各地の有力地銀9行は昨年1月28日、各行が連携して融資先企業の活動を支援する「地域再生・活性化ネットワークに関する協定書」を締結した。メンバーは北海道銀行(札幌市)、七十七銀行(仙台市)、千葉銀行(千葉市)、八十二銀行(長野県長野市)、静岡銀行(静岡市)、京都銀行(京都市)、広島銀行(広島市)、伊予銀行(愛媛県松山市)、福岡銀行(福岡市)の9行。いずれも各地方のトップ銀行ばかりだ。

 首都圏からは千葉銀が参加したが、横浜銀の名前がなかった。横浜銀は全国地方銀行協会会長行を長年務めてきた地銀業界のリーダー的存在だが、有力地銀の連携を主導できなかったばかりか、そのメンバーからも漏れた。9行連合の中心は地銀2位の千葉銀。これを受け、横浜銀は千葉銀の底力を再認識し、千葉銀の力を削ぐために千葉興業銀行(第2地銀)に経営統合を働きかけたといわれている。しかし、千葉興銀はこれを拒否し、東京地盤の東日本銀に切り替えた。横浜銀が統合に動いたのは、9行連合に漏れたことの汚名返上と地銀業界では受け止められている。