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軽自動車、乱売戦争泥沼化で「自社登録」の水増し横行 新車販売や中古市場に打撃の懸念

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「Thinkstock」より
 スズキとダイハツ工業による軽自動車シェア争いが激化している中で、収益の悪化が鮮明になっている。泥沼の戦いは今後も続くのか。

 スズキの2014年4-12月期(第3四半期累計)の国内販売台数は、軽自動車「ハスラー」などの販売が好調だったことから前年同期比11.7%増の56万7000台と高い伸び率となった。しかし、日本を経由した第3国取引を除いた日本セグメントの売上高は前年同期比326億円の減収となり、営業利益も減益となった。

 国内自動車メーカーの多くが過去最高益となる中で、ダイハツ工業の同期累計営業利益は、同46.8%減の510億円と大幅減益となった。国内の営業利益が前年同期と比べて308億円の減益となったのが響いた。

 スズキ、ダイハツの業績が悪化しているのは、軽自動車市場のシェア争いによって「無理な販売を繰り返している」ことが背景にある。そもそも14年の新車市場は、1~3月にかけて消費増税前に駆け込み需要が発生、4月以降、反動で低迷すると見られていた。しかし、スズキは「ハスラー」の販売が好調で、4月以降も大量の受注残を抱えたことから販売も順調に推移、軽自動車シェアトップに躍り出た。

 このスズキとダイハツのシェア争いの歴史は長い。スズキは1973年から06年までの34年間、軽自動車シェアトップの座を守ってきた。しかし、トヨタ自動車の全面的なバックアップを受け販売攻勢を掛けてきたダイハツが、07年にシェアトップを奪取。それから7年間、スズキは2位の座に甘んじてきた。それが昨年4月以降、スズキがトップとなり、単月ベースでは最終的に11月までの8カ月連続、その地位を守った。

 トップの座を奪われたダイハツは、ただ静観していたわけではない。軽自動車としては異例となる1年間に6車種の新型車を投入、販売巻き返しを狙った。それでも結果的には14年暦年の軽自動車市場は、スズキが8年ぶりにシェアトップの座を奪還した。14年のスズキとダイハツの販売台数の差は約2800台の僅差であり、競争の激しさを物語っている。

●「自社登録」で「不健全な状態」


 そしてこの販売競争の激化によって、軽自動車市場は「不健全な状態」(日産自動車幹部)に陥っている。というのも軽自動車は「実弾さえあればシェアをとるのは難しくない」(軽自動車販売店関係者)との負の側面があるからだ。それは軽自動車が「自社登録」と呼ばれる販売台数稼ぎをやりやすい制度になっているためだ。

 自動車は、完成車メーカーが生産し、これを系列販売会社に卸して販売会社が消費者に販売する。完成車メーカーは販売台数を増やすため、一定以上の台数を販売した販売会社に販売奨励金(インセンティブ)を支給する。自動車販売会社は、インセンティブ目当てに販売台数を稼ぐため、販売店名義で新車を登録するケースがあり、これが自社登録と呼ばれているものだ。