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ユニクロの変貌 「低価格」脱却か? 一斉大幅値上げ&スニーカー戦争参入

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ユニクロの店舗(「Wikipedia」より/Tokumeigakarinoaoshima)
 健康志向の高まりを受け、スニーカーがブームだ。

 ファーストリテイリングが運営するカジュアル衣料販売チェーン、ユニクロは国内約8400店で4月末からスニーカーを売り始めた。4年ぶりのシューズへの再参入だ。今回発売されたのは、靴ひものない「スリッポンスニーカー」と靴ひものある「シューレーススニーカー」の2種類で、各5色。サイズは23~28cmで1cm刻みとなっている。価格は各2990円(税別)で他の衣料品と同様に自社で企画し、中国の委託先工場でつくるSPA(製造小売業)型だ。

 ユニクロは4年前まで、スニーカーやパンプスを販売していた。2005年に靴小売のワンゾーン(旧・靴のマルトミ)を買収、08年に婦人靴のビューカンパニーを子会社にしてシューズ事業に本格参入した。09年から「ユニクロシューズ」ブランドとして販売してきたが売れ行きが悪く、11年8月に撤退した。

 長く低迷していた靴業界は、東日本大震災が起きた11年を底に回復基調が鮮明になった。矢野経済研究所によれば靴の国内小売市場規模は13年度が1兆3850億円。靴全体では微増にとどまるが、スニーカーを中心とする「多目的シューズ」の売れ行きは好調で、14年までの2年間で27%伸びた。

 売れ筋はニューバランス「M1400」やナイキ「AIR MAX」、リーボック「INSTA PUMP FURY」など、歩きやすく、長時間歩いても疲れない履き心地のよい靴だ。健康志向の高まりやランニングブームの影響でスポーツシューズも売れている。

 こうしたトレンドをうまくつかんだのが、ABCマートを展開するエービーシー・マートだ。スニーカーを買い求める中国人など訪日観光客が引きも切らず訪れる人気店となり、業績を伸ばしている。ABCマートは3月からスニーカー専門小型店を東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅ビル「ルミネ」に出店した。一方、同業の東京靴流通センターなどロードサイド店を営むチヨダは、売り場の改装を進め、売上高に占めるスニーカーの割合を35%から40%に高める方針だ。

 今回ユニクロが売り出すスリッポンスニーカーは昨年からブームになっており、流行を後追いした格好だ。ユニクロに先立ち無印良品は、ユニクロより1000円近く安い「コットンスリッポンスニーカー」を販売。ABCマートが扱う米ブランド「VANS」も、同様の商品を5000円超で販売している。いずれも売れ行きは好調だという。

「スニーカーブームは数年前から起きており、すでにブームはピークに差しかかっている。このタイミングでユニクロはスニーカー市場に参入してきたが、出遅れ感は否めない」(流通業界筋)