「日経ビジネス」(日経BP社/2014年11月3日号)の特集『2014年版アフターサービスランキング・家電量販店部門』にて、ワースト1位という不名誉な称号を8年連続で獲ってしまったヤマダ電機。このランキングの作成は日経BPコンサルティングのインターネット調査システムを用いて、14年7月~8月に実施。「相談窓口、所在地など問い合わせ先のわかりやすさ」「店頭などでの担当者の対応の丁寧さ」など、数項目のアンケート調査の上で順位付けされたものだ。ヤマダとしては、同社より売上高で劣るヨドバシカメラやビックカメラなどの競合他社が名を連ねる中で10社中10位という不本意な結果となっている。
そもそも、ヤマダが家電量販店の最大手と呼ばれ始めたのは02年頃。売上高で当時トップだったコジマを抜き、05年2月に専門量販店として日本初の売上高1兆円を達成。しかし、残念ながら売上高に比例するようにユーザーからの悪評も噴出しているようだ。
●フロアの店員不足
そこで同ランキング3位のヨドバシカメラ、5位のビックカメラ、そしてヤマダの実際の店舗売り場を比較するために、今回は「ヨドバシカメラ・マルチメディア新宿東口」「ビックカメラ新宿東口店」「ヤマダ電機LABI新宿東口館」の3店舗に足を運んで覆面調査を実施した。各店舗の主にデジカメ、薄型テレビ、家庭消耗品コーナーを回ってみると、ヤマダが最下位となってしまう要因が見えてきた。
まず第一に気になったのは、他2店舗に比べ、ヤマダの店員数が異様に少なかったこと。ヨドバシカメラとビックカメラではワンフロアにつきレジ要員を除いて20人以上のスタッフを確認できたが、同程度の規模のフロアながらヤマダではその半分以下の10人弱。蛍光灯などの消耗品コーナーでは明るさの違いを尋ねようとした際、他2店舗ではその売り場から概ね10歩以内に店員が立っているという環境だったのに対し、ヤマダでは近くに店員がいないためレジまでわざわざ赴く必要があった。
デジカメコーナーも他2店舗はコーナー内にスタッフが4~5人は立っていたが、ヤマダでは状況によっては0人の時も。加えてフロア入り口にて“本日のお買い得品”などを口頭で知らせる係員がいたのは3店舗共通だったが、ヤマダのみ発声者から熱意が感じられず非常に事務的な印象を覚えた。
●戻ってこない担当者
また、テレビ売り場にて20代とおぼしき男性店員に質問したところわからないことがあったようで、別の店員を呼びに走ったのだが、結局、別店員が現れるまで10分以上も待たされるハメに。もちろん記者が訪れた店舗、日時がたまたまそうであっただけの可能性も否定できないが、家電量販店巡りが好きでさまざまな店舗に足繁く通うという都内在住の30代男性も、こんなちょっとしたトラブルを話してくれた。