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ワタミの介護買収の損保ジャパン、実はあの入居者連続不審死の施設と提携していた!

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「和民」の店舗(「Wikipedia」より/Asanagi)
 ワタミの介護事業を210億円で買収する損保ジャパン日本興亜ホールディングスは、介護ビジネスに急傾斜している。12月1日に株式を取得し、完全子会社にする。「ワタミの介護」という社名も変更する。ワタミの介護事業は売上高で業界7位。

 今年3月には、ジャスダック上場の介護サービス事業大手メッセージと資本・業務提携した。同社株式の3.5%を取得して第2位の大株主となった。同社は入居する際の頭金なし、低料金の介護付き有料老人ホーム「アミーユ」や、サービス付き高齢者向け住宅「Sアミーユ」を経営している。今後、同社と共同で在宅分野のサービスを充実させ、新たな民間介護保険商品の開発に乗り出すことになっていた。

 ところが、メッセージは不祥事が相次いだ。今年9月初め、「Sアミーユ川崎幸町」(神奈川県)で職員による入居者への虐待や盗み、入居者3人が相次いで個室のベランダから転落死したことなどが明らかになり、川崎市と厚生労働省が立ち入り検査を行った。さらに9月中旬には、「アミーユ豊中穂積」(大阪府)が、豊中市から6カ月の新規受け入れ停止の行政処分を受けた。入居者に身体的虐待を行ったことが理由だ。これを受け、メッセージの株価は急落した。

 損保ジャパンはこれまでも介護中堅シダーに34%出資している。15年3月末の大株主名簿の名義は、高齢社会戦略1号投資事業組合となっている。シダーは福岡から全国展開を目指している。

 介護業界には大きく2つのビジネスモデルがある。ひとつは有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった施設を、自前で建設し運営するもの。もうひとつは、訪問介護や通所介護(デイサービス)を主体とするものだ。

 ワタミやメッセージは前者。損保ジャパンは介護保険と融資で、介護分野に橋頭堡を築くことを狙ったが、早くもメッセージがつまずき、損保ジャパンの介護ビジネスの将来性に疑問を抱く向きも多い。

 ワタミの介護はワタミが全額出資する会社で、3月末時点で首都圏を中心に111カ所の有料老人ホームを運営。デイサービス事業も手掛けている。損保ジャパンが買収後も、既存のサービスは継続される。パートを含む7000人の従業員の雇用も原則、継続される。

 損保ジャパンはメッセージへの出資を通じて事業ノウハウを吸収してきたが、一歩進めて、自前の介護施設の運営に乗り出すことになった。高齢化の進展で、介護事業は今後も伸びるとされているが、「それだけ競争は激しくなっており、勝ち残るのは大変だ」(業界筋)。