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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

極めて利便性高い日本の伝統・郵便事業を破壊!郵政民営化&上場は国民に深刻なデメリットばかり

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日本郵便本社ビル(「Wikipedia」より/Rs1421)
 「米国の忠犬ポチ」と揶揄された当時の小泉純一郎首相が固執した末に実現した「郵政民営化」ですが、10年の時を経て今年11月4日、日本郵政、ゆうちょ銀行かんぽ生命保険の3社が親子上場といういびつなかたちながらも、ついに東証一部上場を果たしました。

 いまだ、株式の大半を政府が持っているという国営企業のままですが、いったいこれから、この巨大な「ゆうちょ」と「かんぽ」という2大マネーカンパニーはどんな道筋をたどるのでしょうか。

 また郵便や小包配達事業で赤字を抱える日本郵便を子会社に持つ親会社の日本郵政は、将来切り離される予定の「ゆうちょ」と「かんぽ」からの窓口使用料をずっともらい続けられるのでしょうか。もしそれが得られなくなると、日本の郵便事業は大赤字となって成り立たなくなってしまう危険性が高いのです。

 郵便事業の公共性による赤字を、利益の出やすい貯蓄事業や簡易保険によって補うという日本のこれまでの伝統的な仕組みを破壊してまで、何ゆえの郵政民営化だったのでしょうか。

よい制度をバラバラに破壊


 なぜ、こんなおかしなことになってしまったのか。

 たしかに、「ゆうちょ」や「かんぽ」の事業は、貸し出しや投資運用という営業的視点もなく、特殊法人に資金を垂れ流し、国債を買い続けるしかない存在でしたが、特殊法人に資金が流れる構図が悪ければ、そちらの入り口をシャットアウトすればよいだけのことでした。何も、うまく機能していた組織をバラバラにする必要などどこにもなかったのです。

 それは、日本のメガバンクをはるかに超える預金量をもった「ゆうちょ」と、日本一の保険料収入をもった「かんぽ」という金融会社そのものを、自由競争にさらさせ、あわよくば合計で300兆円を超えるその資金を米国へと還流させたい――という米国政府の思惑にほかならなかったからでしょう。

 大部分の国民は、「なぜ郵政民営化が必要なのか?」という肝心な点がはっきりのみ込めないまま、当時の小泉首相の「民間でやれることは民間に!」や「聖域なき構造改革!」などといった勇ましいワンフレーズのスローガンに乗せられて、小泉首相に拍手喝さいを送ったのでした。

 当時、小泉首相に異を唱えると、「守旧派」のレッテルを貼られてしまいましたから、今の安倍政権の集団的自衛権容認に自民党内で誰も反対できないのと同様の状況がここでも起きていたわけです。小選挙区制の浸透によって、自民党から派閥の力がもぎ取られ、総裁の一極支配が可能になっていたからこそできた――といえる構図でしょう。自民党は、このころから多様な意見が交わされる国民政党ではなくなり、独裁色が強くなってきたわけです。