NEW
中沢敦「パルディア流 売れるマーケティング論」

お得すぎて大ヒットのランチパスポートが成立する秘密 食事3割引き&3回で元取れる

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ランチパスポート(「Amazon HP」より)
 みなさんは、昼時にご自分のオフィスで文庫本サイズより少し大きめな雑誌を片手に歩いている人をご覧になったことありませんか? 

 昨年から『ランチパスポート』(出版共同流通)が急速に流行しています。これは、通常700円以上するランチが500円で味わえるなど、地域ごとに発行されている“ランチ割引雑誌”です。1000円で雑誌を購入しても3カ月以内に3~5店利用すれば元がとれます。掲載されている店でランチを食べ終わった際に同誌を提示すると、値引きが受けられます。11月現在、発行決定済のものを含めると、日本全国43都道府県以上80エリア以上で発売されています

『家族で超トクパスポートなび』
株式会社パルディア
 このランチ割引雑誌のビジネスモデルを整理すると、次のようになります。

(1)発行社が掲載施設約80-100店舗を広告費無料で掲載
(2)広告費無料の代わりに、店舗側はメニューを指定割引金額にて誌面に提供
(3)利用者は3カ月間、1店舗3回まで利用できる

 雑誌購入者の利益で収益を成り立たせる新たなるモデルです。しかも、エリアフランチャイズ制により全国ネットワークを完成させました。既存のフリーペーパーは広告掲載費にクーポン割引費用も必要ということで、特に飲食店の個店オーナーに支持されているようです。

アメリカで成功している有料クーポンブック


 このようなビジネスモデルはもともとオーストラリア、アメリカ、カナダなど地域ごとに年1回発行されている「Entertainment-book(エンターテインメントブック)」という有料クーポンブックがベースとなっています。デジタル版もあり値段は国・地域によって異なりますが、一冊約25~65ドルで、サービスは1年間有効です。

 その歴史は古く、1962年から発刊されています。内容は高級レストランおひとり様無料や大手ホテルチェーンの大幅な割引など150以上の有名店、6万以上のクーポンが掲載されており、マクドナルド、ドミノ・ピザ、ローカルのレストランから、ユナイテッドエアラインやターゲット、レンタカー、ホリデイ・インなどのクーポンが掲載されています。

 書店での取り扱いはなく、エンターテインメントブックが認めた学校、病院、コミュニティー/チャリティ施設、ボーイ・ガールスカウト、スポーツクラブなどで販売され、売り上げの一部はそのままチャリティなどに寄付され同雑誌はチャリティの資金調達者としての立場も担っているようです。クーポン文化先進国アメリカならではの歴史があるサービスです。