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本田圭佑が主催デカコーンカップ、大盛り上がりで閉幕…スタートアップ業界に檄

2025.04.02 2025.04.04 11:16 ユニコーンアイ

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 サッカー元日本代表MFの本田圭佑氏が3月27日、スタートアップ企業の人材を集めて4人制サッカー大会(4v4)イベント、「Decacorn Cup(デカコーンカップ)」を開催した。

 デカコーンとは、企業の評価額が100億ドル(約1兆600億円)を超える巨大な未上場企業を指す。ユニコーン企業の中でも、さらに評価額が大きい企業のことだ。10倍を意味する「デカ(deca)」と伝説の生き物「ユニコーン(unicorn)」を組み合わせた造語だ。

 今回のイベントはスタートアップ企業が対象で、「デカコーン以上を目指している企業」「シードの企業かつ連続起業家がファウンダー」「シリーズAまたはそれ以降のステージの企業」のいずれかに当てはまることが参加条件になっていた。

 本田氏は2024年1月にファンド「X&KSK」を立ち上げ、今年1月に153億円の資金調達を達成したと発表。創業間もないシード期から、開発投資に積極的になる「シリーズA」のスタートアップを中心に、1社3億~5億円で25〜30社に投資し、株式の10〜15%の取得を目指している。また、本田氏の個人ファンド「KSK Angel Fund」では200社以上への投資実績があり、2018年に俳優のウィル・スミスと設立した「Dreamers Fund」では、米国のスタートアップに投資している。

スタートアップ関係者同士が交流

 今回のイベントは、4v4を軸に、プレゼンテーション、マッチング、ネットワーキングの機会を盛り込んだプログラムで構成。開会式にはスポーツ庁長官の室伏広治氏や渋谷区長の長谷部健氏も訪れ、4v4には元卓球選手の水谷隼をはじめ、お笑い芸人せいや(霜降り明星)、りんたろー。(EXIT)、ユーチューバーのNaokimanなども参加した。

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 有名人を招待した理由について本田氏は「日本は有名人やインフルエンサーがスタートアップに投資したりビジネスしたりするのが、世界に比べてすごく遅れている」と語り、今後も有名人を巻き込みながらスタートアップ投資を盛り上げていきたいと話した。

 試合を待っている時間ではスタートアップ同士でコミュニケーションをとっている姿が見られたが、本田氏は「何気ないそういう交流が上を目指す刺激ある会話になっていたのが一番の目的ではあったが、投資家の方がたくさんいたら、もっと具体的な事業につながる話もできたかもしれない」と、反省点も口にした。

投資はファウンダーの視座や目標の高さがポイント

 4v4閉会式後の会見では、投資先を選ぶときの基準やポイントについて質問されたのに対し、本田氏はこう答えた。

「大きな市場でビジネスをして、優秀なファウンダーが領域を間違わずしっかりやっているというのが大事。僕はアーリーで投資するファンドなので、まだ数字の出ていない会社を見ており、数字で分析できるところは限定的だったりする。それだけに、ファウンダーの考えとかチームのクオリティとか、市場にどれだけライバルがいるのかを日本だけでなくグローバルで見ていく。ファウンダーの視座や目標の高さは、まず一番に見るし、それに実態がついてきているのかどうかも。もちろん、事業がアーリーとは言っても売り上げが立っている会社ばかりなので、プロダクトの質も徹底的に分析する」

 日本では企業の評価額が10億ドル以上のユニコーン企業は8社しかなく、デカコーン企業は昨年12月に日本初のデカコーンに到達した金融取引セキュリティ技術開発のGVE(東京・中央)のみ。日本にユニコーンやデカコーン企業が少ないのは、海外進出に挑戦する起業家が少ないためともいわれる。GVEの房広治社長は米ナスダック市場への上場を目指すと雑誌のインタビューに答えている。

 本田氏は日本発のデカコーン創出という壮大な目標に向かって走り出したわけだが、投資先選定に関しては「この領域で勝てばデカコーンになれるという領域は外せない。かなりニッチなところでやっているビジネスだと、投資につながらなかったりするのが現状」と話す。

 今回、サッカーの4v4には32チームが参加したが、テック色の強いチームは初戦敗退の傾向が強かったと分析しつつ、気になる発言もあった。

「営業色の強いチームも何社かあったが、彼らの取り組み方や向き合い方を見ると、営業チームとしてしっかり機能していたなと思ったりした。営業チームみたいなところは部活動のノリでしっかり売り上げを伸ばしていくみたいな。スタートアップは成長第一なので、今日のサッカーを見ていても、営業色の強いチームはそういう一体感があるのかなと感じた」

 本田氏自身の感情としては、もしかすると、体育会系的なノリで営業色の強い企業が好きなのかもしれない。

(文=横山渉/ジャーナリスト)

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