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宇宙ビジネスに特化した人材エージェント…急伸する業界、人材をどう確保?

2025.04.12 2025.04.18 20:18 ユニコーンアイ
宇宙ビジネスに特化した人材エージェント…急伸する業界、人材をどう確保?の画像1
インバイトユー公式サイトより

 普段の生活で意識しているか否かは別として、今や日常生活を送る上で欠かせない事業領域となっている宇宙ビジネス。カーナビゲーションや気象予報をはじめとして、災害予測などにも広がっている。政府も宇宙基本計画(令和5年6月改定)で「2020年に4.0兆円となっている市場規模を、2030年代の早期に2倍の8.0兆円に拡大していくことを目標とする」との目標を掲げており、人工衛星やロケット等の宇宙機器産業の国際競争力の強化、衛星通信・データ提供等の宇宙ソリューション産業の振興に取り組んでいる。

 世界に目を向けても、スペースXのイーロン・マスク氏や、アマゾンのジェフ・ベソス氏などIT業界の大物もこぞって事業に参入しているように、宇宙ビジネスは大きな可能性を秘めた事業領域で、2023年時点で6300億ドル(約100兆円)、2030年に1兆1600億ドル(約185兆円)、2035年には1兆7900億ドル(約286兆円)になるとの試算もある。この領域で覇権を獲るために、多くの国や企業がしのぎを削っている。

 そんななかで、宇宙ビジネスに特化した人材エージェントがある。宇宙人材エージェント「インバイトユー」を展開する株式会社Prop-UP(プロパップ)の代表取締役社長・浅野和之氏に話を聞いた。

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株式会社Prop-UP代表取締役社長・浅野和之氏

 人事コンサルティング事業と人材紹介のエージェント事業の2つを基軸に事業を展開しているなか、人事コンサルティング事業では、スタートアップやベンチャー企業を中心に、組織が成長する過程で生じる様々な課題に対して、マネジメント支援や採用活動のサポートなど、多岐にわたる支援を提供。一方のエージェント事業では、宇宙ビジネスに特化した人材紹介サービスを、昨年から新たに立ち上げ、宇宙関連のスタートアップ企業やベンチャー企業への人材紹介を行っています。

「人事コンサルは、採用支援に加えてスタートアップ企業は若い経営者も多く、事業を成長させるための組織づくりやマネジメントに課題を感じているケースが多いです。私自身のキャリアは、リクルートにおいて従業員300名から4000名への組織拡大を事業系とコーポレート系の両方の側面から経験しており、そこを活かしてご支援している状況です」

宇宙ビジネスに特化した人材エージェント事業 インバイトユー

 宇宙ビジネスは、今まさに成長が期待される事業領域で、そこに特化した人材エージェント事業というのは、独自の立ち位置にあるといえます。顧客はどのような企業になるのでしょうか。

「宇宙領域は、三菱重工やNECなどに代表されるロケットや衛星を製造している大手メーカー加え、2024年には宇宙関連ベンチャーが2社上場するなど、スタートアップ企業もここ数年でかなり増えてきています。

 日本の宇宙開発は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が中心となって進められてきましたが、近年では、アメリカのNASAがスペースXなどの民間企業を活用する動きに合わせ、JAXAが中心となって進めてきたロケット開発や衛星開発などを、民間に開放する流れとなっています。

 このような背景から、宇宙ビジネスに参入するベンチャー企業が増加し、人材ニーズが急速に高まっています。産業が育つには人材流動化は必須なので、宇宙ビジネスに特化した人材エージェント事業 インバイトユーを立ち上げることで、この分野における人材獲得を支援しています」

宇宙ビジネスにおける人材採用の現状

 宇宙ビジネス業界は、ロケット開発、衛星開発、宇宙探査など、非常に幅広い分野に分かれており、それぞれの分野で専門性の高い人材が求められているかと思いますが、具体的にはどのような人材が必要なのでしょうか。

「特にエンジニアの需要が高く、機械、電気電子、制御、IT、通信など、様々な分野のエンジニアが求められています。

 これまでは、一部の大手メーカーを除いて宇宙に関われる機会が少なかったため、大学や大学院で航空宇宙を専攻していた学生のほとんどは宇宙領域に就職していません。ただ先ほどもお伝えしたように、ここ数年で国内での宇宙領域が大きく変化しているため、ニュースペースと呼ばれるスタートアップ企業も数多く出てきており、人材ニーズが強くなっています。そうした中で他産業でのエンジニア経験のある方にも可能性は十分にあります」

 宇宙ビジネスと聞いても、仕事内容がイメージしづらいなど、二の足を踏む方も多いのではないだろうか。どのようにしてアプローチするのだろうか。

「宇宙ビジネスは、まだ一般的には認知度が低く、人材獲得は容易ではありません。宇宙関連の専門知識を持つ人材は限られており、また、他業界から宇宙ビジネスへの転職は、将来性への不安やこれまでのキャリアとの関連性など、求職者にとって大きな決断を伴います。

 このような状況の中、我々はそこに特化することで様々な情報を収集し、宇宙ビジネスの魅力を丁寧に伝え、求職者の不安に寄り添いながら、最適な人材を宇宙関連企業に紹介しています」

宇宙人材エージェント インバイトユーの強み

 人材紹介事業をしている企業は多くありますが、宇宙ビジネスに特化しているエージェントは少ないように思えます。特に強みといえる部分は、どのあたりでしょうか。

「長年の人材ビジネスで培ってきたノウハウと、宇宙ビジネスに特化した専門性は強みだと思います。大手人材紹介会社も宇宙ビジネス分野に参入しており、競合といえますが、宇宙ビジネスに特化した人材紹介サービスを提供している企業はほとんどありません。

 当社は、宇宙ビジネスの現状や将来性、各企業の事業内容などを深く理解するのは当然のこととして、大切なことはまだまだ未知の宇宙ビジネスというものへの不安に寄り添うことだと考えています。我々自身は、ビジネスマンとして30年以上、キャリア形成や仕事、生活、家族とのバランスなどを体験してきています。エンジニアの方々も年齢に応じて各々の岐路で一歩踏み出すにあたって不安を抱えておられると思います。その漠然とした不安を分解して、一つ一つ解決していくことで、安心して一歩を踏み出していただけるのではないかと思っています」

今後の展望

 Prop-UP社としては、宇宙ビジネスに特化した人材エージェント事業インバイトユーを、今後の成長の柱と位置づけ、事業拡大を目指しているという。

「宇宙ビジネスは、今後10年、20年で大きく成長し、地球初、世界初が日本から生まれる可能性を秘めています。人材エージェント事業も、宇宙ビジネスの発展とともに、さらなる成長が期待されます。当社としても、人材紹介事に加え、宇宙関連企業に対する組織人事コンサルティング事業も展開することで、宇宙ビジネスの成長を多角的に支援していくことを目指しています。宇宙関連企業の多くはスタートアップなので、組織体制が十分に整っていない企業も少なくありません。組織設計、人事制度設計、マネジメント支援など、組織運営に関する様々なコンサルティングを提供することで、宇宙関連企業の成長をサポートしています」

 浅野氏は、宇宙ビジネスの発展に貢献するという強い意志を語る。宇宙ビジネスは日本の将来を左右する重要な分野であり、日本の宇宙ビジネスを支える上で、大きな役割を担っているとの自負がうかがえる。宇宙ビジネスの発展とともに成長を続け、日本経済の発展に貢献していくことが期待される。

(構成=UNICORN JOURNAL編集部)

宇宙人材エージェント インバイトユーの詳細 → https://inviteyou.jp/

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