ユニコーンジャーナル > ユニコーンアイニュース > 田所氏「起業に向く人、向かない人」

『起業の科学』著者・田所雅之氏が考える、“起業に向く人、向かない人”

2025.04.25 2025.04.25 10:00 ユニコーンアイ
『起業の科学』著者・田所雅之氏が考える、起業に向く人、向かない人の画像1
田所雅之氏

 UNICORNJOURNALはユニコーンファームと連携し、今後さまざまな取り組みを進めていく。ユニコーンファーム代表取締役CEOの田所雅之氏は、ベストセラー『起業の科学』の著者であり、数々のスタートアップの育成・支援に携わってきた、日本を代表する起業家メンター。田所氏自身も複数回の起業経験を持ち、その経験と豊富なデータに基づいた「科学的方法論」により、再現性の高い起業ノウハウを体系化。『起業の科学』は、スタートアップの成功確率を高めるための実践的な戦略とフレームワークを提供し、多くの起業家から支持を集めている。

 また、田所氏は、国内外のアクセラレータープログラムやインキュベーション施設でメンターを務め、数多くのスタートアップの成長を支援している。その指導は、単なる精神論ではなく、具体的な戦略や戦術に落とし込まれており、起業家が直面する様々な課題の解決に貢献している。

 UNICORNJOURNALでは今回、田所氏に「起業に向く人、向かない人」の特徴や、起業家が成功するために必要な要素について聞いた。

起業に向く人の特徴

 田所雅之氏は、自身も起業家として豊富な経験を持つ中で、様々なタイプの起業家を見てきた。その経験から、起業に向く人と向かない人には、明確な特徴があると言う。

 田所氏は、起業に向いてるについて「まず “行動する人”」を挙げる。どれだけ素晴らしいアイデアを持っていても、行動に移さなければ何も始まらないとの見解を示し、「人間は習慣の生き物なので、なかなか行動しないと思うんですけど、めちゃめちゃ行動力ある人に我々が少し指導やメンタリングをすると、とても良くなります」と語る。田所氏は、行動力のある人は、メンタリングを通じて大きく成長する可能性が高いと指摘する。

 また、起業家には「すごい成長意欲というか、学習意欲や好奇心が溢れてないと厳しいなと思います」と語る。その理由について、「起業の世界は変化のスピードが速く、常に新しい情報をキャッチアップし、学び続ける姿勢が不可欠」だと説明。

 さらに、“エゴの強い人”を要件に挙げる。「これは意外に思われるかもしれませんが、結構エゴの強い人は向いていると思います。ここでいうエゴは、自己中心的という意味ではなく、『この世界をどうにかしたい』という強い意志や、自分の信念を貫き通す力を指します」とする。

 それに加えて、“マネタイズに対する嗅覚がある人”も起業に向くという。起業家は「商売人なので、マネタイズに対する嗅覚というか、こういうことにお金を払っているということに対する嗅覚、 つまり消費者側としての嗅覚はとても大事」と指摘する。どれだけ優れたサービスやプロダクトを作っても、収益を上げられなければ事業を継続することはできないため、消費者がお金を費やしたくなるように仕掛ける感覚は重要なポイントだ。

起業に向かない人の特徴

 逆に、起業に向かない人については、「そもそも行動力がない人というのは、起業するべきではない」と断言する。たとえば、漠然とした憧れで起業するような人は厳しいと分析。その理由として、起業は決して華やかなものではなく、地道な努力と多くの困難を乗り越える必要があるためだと解説する。

 さらに、「生活に満足しちゃっている起業家はダメですね」という。起業家は「成果でしか測れないから」と説明。起業家は常に成長を求め、現状に満足することなく、高みを目指し続ける必要があるとの見解を示す。

起業の成功に必要な要素

 田所氏は、起業の成功は一概に測れるものではないとしつつも、いくつかの重要な要素を挙げる。

 その一つに、経営者の質を挙げる。「やっぱり経営者の質が大きい」と強調し、経営者の能力、リーダーシップ、人間性などが事業の成否を大きく左右すると語る。特に、起業家には「本人のこだわりというか、もう粘り強さみたいな」ものが必要だとの持論を展開。「起業とは、ひたすら面倒臭いことの繰り返しなんです」とし、泥臭い努力を厭わないことが重要だと指摘する。

 それでも、強靭なメンタルが必要かといえば、そうではないという。「メンタルが弱そうだから、この人成功しないかといえばそうでもなく、レジリエンシーというか、ダメになって戻る力っていうのがあれば、成長できる可能性がある」とする。

『起業の科学』について

 田所氏は自身の著書『起業の科学』について、「起業する人は、本書に沿って行動すればいいという確信を持っている」と胸を張る。「成功確率は10倍にはなりませんが、多分3~4倍上がる確信はあります」と語り、起業による成功確率を高めるためのツールであると強調する。自身の経験と豊富なデータに基づき、起業を科学的に分析した田所氏の「科学的方法論」を学び、実践することで、成功の可能性を高めてほしい。

(構成=UNICORN JOURNAL編集部)

『起業の科学 スタートアップサイエンス』 日米で複数の起業経験を持つ アントレプレナーにしてベンチャー投資の経験もある 著者が、自分自身の起業経験、投資経験を踏まえて 「科学的な起業」の考え方を時系列でまとめました。 amazon_associate_logo.jpg

RANKING

  • ユニコーンアイ
  • ALL
UPDATE:5:30