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“画期的”敗訴の判決状も自ら印刷!?

大日本印刷"赤字""不当解雇""偽装請負"でも社長は高額報酬の非道

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DNPの不当解雇に抗議し、4月6日に同社本社前で
行われたデモ。
 2010年3月期、日本企業の日本人役員として報酬額トップの座に輝いたのは、大日本印刷(DNP)・北島義俊社長の年額7億8700万円だったことを、覚えている読者もいるだろう。経営不振の責任をとって翌11年度、同氏の報酬額は同3億5300万円に減額されたが、それでもため息の出るような額である。

 北島社長の巨額報酬の"秘密"はどこにあるのか? そんなことを考えさせる判決が、4月26日、さいたま地裁(坂口公一裁判長)で言い渡された。

 上の画像のように、印刷労働者がDNP本社を包囲するデモまで引き起こしたこの裁判は、埼玉県久喜市にあるDNPの子会社・DNPファインエレクトロニクス(以下、DNPファイン)の工場で、日本ユニ・デバイス(佐藤洋二郎社長/以下、ユニ)から「派遣」され働いていた原告Nさんが、09年1月末、ユニから解雇を言い渡されたため、解雇撤回と賃金支払いを求めて起こしたものだ。Nさんは06年8月から、ユニとの間で雇用契約を交わし、解雇されるまでDNPファイン久喜工場で半導体の検査作業などに従事してきた。それがサブプライムローン問題に端を発する景気後退で仕事が減った途端、路頭に投げ出されたのだ。

 この解雇について上記判決は、Nさんが雇用契約の期間が終わった後も引き続いて働いていた事実(雇用契約の黙示の更新)に着目し、解雇の時点では、Nさんは「期間の定めのない雇用」=「正社員」になっていたと同様だと判断した。これは民法629条1項(雇用の更新の推定等)にもとづくが、「有期雇用契約」から始まり、雇用契約の黙示の更新により「期間の定めのない雇用」に切り替わった労働者に対する判決としては、画期的だ。

 この解雇は「経営難を理由とする整理解雇」なので、整理解雇4要件(4要素)が当てはまる。4要件というのは、整理解雇の是非を、

 (1)人を減らす必要があったか
 (2)会社が解雇回避努力を尽くしたか
 (3)誰を解雇するかの人選が適切か
 (4)労働者・組合との協議など手続きが妥当だったか

の4点から判断しよう、という判例法理(考え方)だ。

 坂口裁判長もこの基準をもとに、売上減などから一定の人減らしは必要だったが、解雇を避けるための努力が不十分なうえ、「(人選にも)恣意的な判断が介在する余地があった」「(解雇の)手続きについても、口頭による一方的な説明のみをもって(略)従業員の理解を得るため十分な措置を講じたものとは認められない」と具体的に認定し、「本件解雇は無効である」と断定。解雇日から止まっていた、Nさんへの賃金支払いも命じた。

 Nさんの代理人・竪十萌子弁護士は、取材に対し「このところ、法の原則を曲げて会社を勝たせる裁判官も目に付くが、さいたま地裁は現場の実態をよく見て適切な判決を出してくれた」と語ったが、ユニは判決を不服として控訴、争いは続く。

 ところで、判決によればDNPファインは、DNPグループ会社であるDNPミクロテクニカ(以下、DNPミクロ)に「半導体検査」「フォークリフト作業」といった業務を発注し、さらにDNPミクロがユニに本業務を再発注していた。ユニはこの発注にもとづき、DNPファインにNさんのような労働者を「派遣」していたのだ。

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