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スポーツライター小宮良之の「フットボールビジネス・インサイドリポート」第5回

サッカー五輪代表は、海外移籍で1億円稼げるか?

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『サッカー「海外組」の値打ち』
(中央公論新社)
 今回のロンドン五輪では、日本男子サッカー選手たちが目覚ましい活躍を見せている。快足を飛ばす永井謙佑(名古屋グランパスエイト)、センス抜群の扇原貴宏、クレバーで運動量も豊富な山口蛍(ともにセレッソ大阪)などには、欧州のクラブスカウトたちの熱視線が送られているという。現在Jリーグでプレーする彼らが、大会後に海を渡る可能性は決して低くはないだろう。

 拙著『サッカー「海外組」の値打ち』(中央公論新社)でも書いていることだが、Jリーガーたちが渡欧を決断するのは当然の流れと言える。

 プロのアスリートは、高みに到達することになにより生き甲斐を感じる。激しい競争や言葉の壁や異国での生活……海を渡った先ではハンディばかりだが、彼らは必ずしも安定を望んでいない。高い志を持ち、実際に多くの障害を乗り越えることで、ようやく一流になれる、そう信じている。殻を破ったからこそ、香川真司、長友佑都、本田圭佑らは眩い輝きを放っているのだ。

 そうしたスター選手たちが大金を稼ぐのもまた、必然だろう。

 今夏、ドイツのブンデスリーガから英国プレミアリーグのマンチェスター・Uに移籍した香川の移籍金は、約20億円とも言われている。年俸は推定で6億4千万円。小兵の日本人選手に、それだけの値打ちがついたということだ。

 欧州では、活躍次第で値打ちは高くなる。

 例えば日本代表の主将である長谷部誠が所属するヴォルフスブルクやロッベン、リベリーなど世界的スターを擁するバイエルン・ミュンヘンなど、ブンデスリーガの有力クラブは待遇条件も破格だ。1試合の勝利給は400〜500万円。単純に20試合勝てば、勝利給だけで1億円プレーヤーとなれる。そうした選手は年俸だけで2億〜3億円を稼いでおり、総収入は倍近い。裕福な生活が約束されるだけでなく、香川のように一流クラブへの道を開くこともできるのだ。

 ロンドン五輪代表組は、海外を視野に入れて戦ってきた。

 酒井宏樹(ハノーバー)、清武弘嗣(ニュルンベルク)、宇佐美貴史(ホッフェンハイム)、酒井高徳(シュツットガルト)、大津佑樹(ボルシア・メルヘングランドバッハ)はすでに海外移籍済み。ロンドン五輪代表には選ばれなかったが、宮市亮は高校卒業後にアーセナルへ入団。ほかにも高木善朗(ユトレヒト)、指宿洋史(セビージャB)などが海を渡り、「一旗揚げる」と国内からの積極的エクソダスは止まらない。

 国内のJリーグでは年俸1億円の選手は数人しかおらず、J1の平均年俸は約2千万円程度だ。各クラブの財政状況は厳しく、かつてのように名の知れた外国人選手は見当たらず、以前からJリーグにいるベテランか、無名の若手が主流。レベル低下は否めない。最大の選手供給源だったブラジル人選手が、同国の2014年W杯、2016年リオ五輪に向けた好景気で有力選手の移籍が成立しにくい状況にあるのだ(韓国人選手は増加傾向)。

『サッカー「海外組」の値打ち』


稼ぐか、稼げないかは選手次第。

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