さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露!そこにはある共通点が見えてくる!?
大手芸能プロダクション・オスカープロモーションが主催する「全日本国民的美少女コンテスト」。多くの人が知る通り、上戸彩さんや武井咲さんなどのスターはここから誕生した。同社は応募資格として「12~20歳までの美少女」とし、応募条件として「圧倒的な輝きを放つ美しい容姿」「秘められた神秘性」などを掲げている。応募する少女たちはここで苦笑しないのだろうか。あるいは他薦であったら、大丈夫なのか。12歳の少女にバスト、ウエスト、ヒップを訊くのはどうかと思う。ただ、芸能界を生き抜くためには、この程度の条件を気にしない精神的タフさが求められるかもしれない。冗談である。
それはいいとして、驚くのは毎回10万人前後もの応募があることだ。総務省統計局が発表している統計データによると、12〜20歳の女子の人口は540万人ほどだ。まったく対象外の人もいるはずだが(失礼)、それを無視して考えても、全国の中学高校30人クラスの2 教室に1人は、応募していることになる。
あくまで私見だが、「全日本国民的美少女コンテスト」で各タイトルを受賞した美少女は、確かに群を抜いてレベルが高いと思う。スポットライトを浴びる、そして人並み以上の生活を送る。たくさんの少女が彼女たちを目指す理由はよくわかる。
現在、日本の給与所得者の給与水準が低下しているといわれている。国税庁「2010年度民間給与実態統計調査」によると、約10年前の01年に454万円だった給与所得者の平均年収が、10年には412万円となった。それに対し、芸能界のトップになれば、1回のCM起用で3000万円以上を稼ぎ出す。
しかも昨今の美少女アイドルグループの流行により、その願望は強くなってきたように思われる。最近では、乃木坂46のオーディションに約4 万人が殺到した。男性はアイドルを求め、女性はアイドルになりたがる。前田敦子さんが卒業することになるAKB48をはじめとして、乃木坂46、アリス十番など、私たちは、彼女たち「美少女」を見ない日はない。海外を歩いていても、これほど街中に少女たちが表紙を飾っている雑誌が溢れる国を、見つけることは難しい。
製造業が斜陽となっている日本において、美少女たちの発売する商品は売れ続ける。「彼女たちのソフトパワーが次なる産業だ」という人までいる。