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毎日の買い物が超便利になる! コンビニ考現学第7回

ほとんどはアルバイトによる犯行!? コンビニ万引きの実情

文=渡辺広明/元コンビニバイヤー
post_989.jpg誰か来て〜。(「Thinkstock」より)

コンビニ歴21年・バイヤー歴15年の筆者がコンビニを選ぶ視点からお得情報、裏ワザまでを伝授!バックヤード事情を見れば毎日の生活が変わる――?

<今回のテーマ>コンビニと万引き

『北の国から2002遺言』(フジテレビ)で、コンビニでバイトする内田有紀演じる結ちゃんが、お客さんの吉岡秀隆演じる純君に廃棄前の弁当をこっそり渡す……そんなシーンをご存知だろうか?

 北の大地で孤独に暮らす二人の心に、ほのかに点った恋が垣間見られる良シーンなのだが、実はこれがコンビニでの万引きを最も現わした場面なのだ。今回はそんな、コンビニで最も多く行われる犯罪・万引きについて紹介していこう。

●万引きの9割は内部犯 その手口とは?

 まず平均的に、コンビニの商品ロス(商品が売れた記録がないのに在庫が無くなっている状態)の9割は、内部のアルバイト店員に原因があるといわれる。そしてそれらは、商品の検品ミスなどではなく、内部人員による万引きだというのだ。

「商品をこっそり持ち帰る」のは当然NGだが、「からあげやポテトフライの揚げ物をひとつ多く揚げてしまったので、それを食べてしまう」「友達に陳列期限が切れた廃棄商品をあげてしまう。もしくは自分で持って帰る」なども内部万引きとなる。

 さらに悪質な「レジから金を抜く」という犯行もあるが、アルバイト交替時にレジ精算を実施するので、誤差が発覚する可能性が高いため、あまり一般的ではない。それでも、会計時にお金を受け取った後、レジの取消キーを押して清算を取り消し、お客さんから預かった売上金をポケットに入れるといった、手の込んだ手口を使う場合もある。これは、単品で買われ、つり銭の端数が出ず、内税で消費税の計算をしなくていい雑誌やタバコの会計時に行われる場合が多い。この方法は、お客が複数の商品を購買した場合には、多少手間がかかるが、売り上げをたてた後で、商品の返品処理を架空でして、金を万引きするという大胆な手口もおこなわれている。

 特にタバコは、従業員による不正な万引きが横行している。タバコは、店舗が受ける利益が10%しかなく、また、店舗の売上構成の約30%をしめる主力商品なので、1カートン万引されると、売上損失としても大きい。当然、店舗ではタバコの在庫管理表をつけているが、アルバイトが在庫管理表を自ら記載する場合があるのと、管理する品揃え数及び在庫数も多いため、たばこの内部万引きの管理が、コンビニ万引きで一番の重点ポイントと考えられる。

渡辺広明/元コンビニバイヤー

渡辺広明/元コンビニバイヤー

コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング代表取締役として、顧問、商品開発コンサルなどに多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。『ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた』『コンビニを見たら日本経済が分かる』等著書多数。
渡辺広明公式ホームページ

Twitter:@yaramaika

『万引きの文化史』 ゆすりの原因になるやつ。 amazon_associate_logo.jpg

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