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ローソン新浪社長の“白髪一万丈”

「利権守るため」ローソンが無謀な中国1万店を掲げるワケ

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お口もバイタリティあふれる新浪社長。
(「ローソンHP」より)
 中国の詩人、李白の詩では「白髪三千丈」だが、ローソンの新浪剛史社長の決算発表会見(10月3日)での発言は「白髪一万丈」。誠にオーバー。「新浪さんが数字を言い出したら、マルを1つ、いや2つ減らして考えた方がいい」(流通業界の首脳)と言われる通りの展開となった。

 沖縄県・尖閣諸島の国有化で日本との関係が緊迫している中国での出店について「計画通り進めていく」と強調。「2020年までに1万店に拡大する計画は変えない」とした。96年から事業を開始しているのに、8月末時点でのローソンの中国での出店数は、上海、重慶、大連の3都市で393店舗に過ぎない。

 16年間で393店しか展開できていないのに、あと8年で9607店出すというのだ。1年で1200店ずつ出店しなければ間に合わない。素人が考えても不可能である。どうして、決算発表という公式の場で、こうした大ボラを吹くのか。

「(発言は)中国政府向けではないか。中国は、一度でも撤退とか削減を言うと、その企業は政府に嫌がらせをされ、再参入や規模の拡大が難しくなる。だから、新浪さんはホラ吹きと言われるのを承知の上で、ああ発言したのではないのか」(同)

 ローソンは日系のコンビニエンスストアの中で、中国市場開拓の先駆者だ。中国の国営商業集団、華聯有限公司と合弁で上海華聯羅森有限公司(上海ローソン)を設立、96年7月、上海ローソンの1号店を開店した。コンビニ業界初の中国進出だった。

 だが、「羅森」ブランドのコンビニの出店は伸び悩んだ。流通関係者は「国営企業と組んだことが苦戦の原因」と分析する。足踏みを続けていたローソンが歩き出したのは10年からだ。

 中国政府の外資誘致の主役は、投資金額が大きく雇用創出効果が高い製造業だった。しかし、08年のリーマン・ショック後、内需振興策として内需拡大に直結する流通サービス業が新たなターゲットとなった。

 ローソンは現地政府からの誘いで、重慶市に100%子会社を設立、10年7月、重慶ローソン1号店を開店した。日系コンビニとして初めての内陸部に進出したのである。

 新浪社長は10年9月初め、オープンしたばかりの店舗の視察と、重慶市長など現地政府幹部との面談を兼ねて現地を訪問。「中国は今後10年で5000店、いや1万店まで増える可能性がある」とぶち上げた。急成長が期待できる中国市場で、当時9850店あった日本に匹敵する店舗網を築くという壮大な目標を掲げた。これが「20年までに1万店に拡大する」計画の出発点となった。