セキュリティ企業・ソフォス社のレポートによれば、「My Birthday Calendar」というアプリについて、「クリックするだけで、自分のすべての友人と連絡先にリクエストが送信される」「この警告をコピーして、皆さんの友人にも警告してください」と警告する英文メッセージがFacebook上で出回っている。このアプリが不正である可能性は薄いようだが、警告だけが先走りして、チェーンレター化しており、同レポートでは、この警告はいたずら目的で誰かが始めたニセの情報だとしている。
似たような現象は、以前、mixiでも発生した。たとえば2006年には、次のような「チェーン日記」が問題となったことがある。最近mixiで広まっている『ぼくはまちちゃん!』という自動生成日記」に対する注意を促すもので、次のような一文が含まれていた。
『マイミクさんの日記に『ぼくはまちちゃん!』というタイトルがあったら絶対にコメントしないでください!!!! これはワームというウイルスで、その日記にコメントすると自分の日記にも自動的に同じ内容の記事が投稿されるそうです!その結果、それを見た他のマイミクさんにも、どんどん感染していきます! メールや本名などの個人情報が漏洩するそうです』
実は、この「ぼくはまちちゃん!」という日記が個人情報を漏洩させるウイルスであるというのはまったくのデマだった。しかし、「マイミクにもウイルス情報を知らせてあげなければ」という善意の連鎖で、注意を呼び掛ける日記がチェーン化したのだ。
チェーン化した情報には、時には本当に有用なものも含まれていることもあるので、対処が難しいところだ。東日本大震災直後には、Twitterでチェーン化した情報が救援につながったケースも見られた。だが、いたずらにトラフィックを増大させ、人々の不安を煽るチェーンレターには、加担するべきではない。
過去には、実在のテレビ番組を騙ったチェーンレターも存在した。「『○×』というテレビ番組の企画で、どれだけメールがつながるかを試しているから、このメールを10人の人に回してください」といった内容で、この時は、テレビ番組関係者も多大な迷惑を被ったという。